【特殊報】コムギ縞萎縮病 県内で数十年ぶりに確認 愛知県2025年4月18日
愛知県農業総合試験場は、コムギにコムギ縞萎縮病を県内で数十年ぶりに確認。これを受けて、4月17日に令和7年度病害虫発生予察特殊報第1号を発表した。
愛知県農業総合試験場によると、3月下旬に県内のコムギほ場の一部(コムギの連作ほ場、品種:ゆめあかり)で、茎葉が細長いかすり状に黄化する症状が確認された。その後、症状のあった株について、農業総合試験場でRT-LAMP法による検定を実施したところ、コムギ縞萎縮ウイルス(WYMV)の陽性反応が確認されたため、コムギ縞萎縮病と同定した。
なお、愛知県内で同病の発生は、数十年前に記録はあるが、近年は確認されていない。
写真1:スポット状に黄化症状が発生(提供:愛知県農業総合試験場)
病徴としては、ほ場の発病の甚だしい部分を中心に同心円状、または、畦方向に沿って拡がり、葉に、黄化や、黄緑色の細長いかすり状の斑点が葉脈に平行して生じる。3月頃に顕著となるが、4月に入ると病徴の回復が起こり健全ほ場との差が分かりにくくなることがある。
写真2:黄化症状の株の様子(提供:愛知県農業総合試験場)
症状が進んだ株は、全体が黄化し、葉身の生長も悪くなり萎縮を示す。萎縮による影響で一穂粒数や千粒重が減少し減収につながる。
写真3:かすり状の斑点(提供:愛知県農業総合試験場)
同ウイルスは、WYMVを保毒した土壌中のPolymyxa属菌がコムギの根に寄生することによってコムギに感染する。播種後、日平均気温が5~15℃の時期に感染が起こり、その後、冬期の潜伏期間を経て発病に至る。
病徴は日平均気温が5℃前後で最もはっきりと現れ、10℃前後では病勢進展は停滞する。なお、発生ほ場では長期間土壌中に病原が維持される。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)農機具に付着した汚染土は伝染源となるため、発病していないほ場から作業を開始するとともに、作業後は他のほ場へ移動する前に農機具(ロータリー等)の土をしっかり落とす。
(2)同病の感染リスクを下げるため、可能な限り播種期を遅らせる(目安:11月26日以降)
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