農畜産物を「交渉カード」にするな トランプ関税でJA茨城県中央会 森山自民幹事長に緊急要望2025年5月10日
トランプ米政権との関税交渉をめぐって、茨城県農業協同組合中央会(JA茨城県中央会)は5月10日、自民党の森山裕幹事長に「日本の農畜産物を関税交渉の対象品目として扱うことのないよう、政府に対し、強く働きかける」ことを要望した。

森山裕自民党幹事長へのJA茨城県中央会の緊急要望。左手が県内のJA組合長ら(5月10日 つくば国際会議場)
同日、茨城県つくば市で開かれた令和7年度食料・農業・地域政策推進茨城県大会(主催:同中央会と茨城県JA農政・地域振興対策協議会)で、中央会の八木岡努会長が緊急要望書を読み上げ、県内のJA組合長、各連合会代表者らと共に森山幹事長に手渡した。田植えが始まる農繁期だが、会場の大ホール(1258名収容)は県内各JAからの参加者で埋まった。
米離れや将来暴落の恐れ 米価急騰への危惧も
緊急要望書では、米離れや将来の暴落につながりかねないと米価急騰への危惧も表明し、「早期且つ精緻な需給見通しの明確化と適切な所得補償の検討が必要不可欠」とした点も注目される。

森山裕自民党幹事長(左から3人目)に緊急要望書を渡す八木岡努JA茨城県中央会会長(左から2人目)
米との農畜産物再交渉は「かなわない話」
緊急要望書を受け取った森山幹事長は、「日本はTPPのそれぞれの参加国と(関税等について)約束をしている。アメリカともTPP並みの約束をしている。もしアメリカと別の約束をすると、TPP参加国とすべてやり直さなければならない理屈になる。とても、農畜産物についてアメリカと再交渉するのはかなわない話である」との認識を示し、「みなさんの要望はしっかり受け止め、(石破)総裁にもお伝えし、要望がかなうよう頑張っていきたい」と決意を述べた。
同大会では、森山幹事長のほか、自民党農林部会長の上月良祐参議院議員と全国農政連顧問の東野秀樹氏(JA道北なよろ会長理事)も講演。最後にJA茨城県中央会・寺山正史専務の音頭で「団結がんばろー」を三唱した。
緊急要望書の内容は以下のとおり。
●緊急要望書
1、アメリカとの関税協議について
現在、アメリカとの間で関税措置を巡る協議が進行しておりますが、今後の交渉の中で、日本の農畜産物が交渉カードとして取り扱われる可能性について、私たちは強い危機感を抱いております。
関税の引き下げや撤廃が国内農業に与える影響は計り知れません。農畜産物は単なる「取引品目」ではなく、日本の食料自給と食文化、そして国民の命を守る根幹に位置付けられるものです。
つきましては、日本の農畜産物を関税交渉の対象品目として扱うことのないよう、政府に対し、強く働きかけることを要望いたします。
2、米価の適正な価格形成について
現在、全国的に米価が急激に上昇しており、政府は備蓄米の放出等で市場価格の高騰を抑制する対策を講じられておりますが、多くの農業現場で戸惑いや不安が広がっております。
価格の急激な上昇は、消費者の米離れや需要減少を引き起こし、将来的な価格暴落に繋がりかねません。また、次年度以降の需給バランスを大きく乱す恐れもあります。こうした事態に対処するためには、早期且つ精緻な需給見通しの明確化と適切な所得補償の検討が必要不可欠です。
私たちは、安心して米づくりに取り組み、安定した供給を維持することが社会的責任であると認識しております。
つきましては、生産コストに見合った「適正な価格形成」と、それを継続的に支える仕組みの構築を強く要望いたします。
令和7年5月10日
茨城県農業協同組合中央会
代表理事組合長 八木岡 努
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(185)食料・農業・農村基本計画(27)麦に関するKPIと施策2026年3月21日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(102)ニコチン性アセチルコリン受容体競合的モジュレーター(4)【防除学習帖】第341回2026年3月21日 -
農薬の正しい使い方(75)細胞壁(セルロース)合成阻害剤【今さら聞けない営農情報】第341回2026年3月21日 -
FAO 国連食糧農業機構【イタリア通信】2026年3月21日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】平和と経済の関係 人権侵す戦争とは乖離2026年3月19日 -
3カ年計画の着実な実践へ 5つの重点取組事項 2026年度JA共済事業計画2026年3月19日 -
配合飼料供給価格 トン当たり約1250円値上げ 2026年4~6月期 JA全農2026年3月19日 -
「有機」「オーガニック」 内容知らない消費者6割強2026年3月19日 -
【世界を診る・元外交官 東郷和彦氏】米国大統領の"変貌" 日本外交も節目2026年3月19日 -
「備蓄米の機動的買い戻しを」 米価下落懸念し特別決議 米どころ山形のJA県中央会2026年3月19日 -
飲用に使われた桜とニセアカシアの花【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第381回2026年3月19日 -
加工食品におけるカーボンフットプリント(CFP)算定ガイドを改定 農水省2026年3月19日 -
「花がなくてもかまわない消費者」にどう向き合うか【花づくりの現場から 宇田明】第81回2026年3月19日 -
今年は5月10日「母の日プレゼントキャンペーン」開催 JAタウン2026年3月19日 -
TOKYO FMホリデースペシャル「春のうまいもの祭」JA全農提供の3番組がコラボ2026年3月19日 -
【役員人事】JA三井リース(4月1日付)2026年3月19日 -
【Jミルク26年度計画】脱粉削減拡充も 生乳需給安定へ検討2026年3月19日 -
第67回全国家の光大会レポート 記事活用、教育文化活動が力2026年3月19日 -
水稲など13品目に対応「土壌診断AI」開発 土壌管理の高度化と生産性向上に期待 農研機構2026年3月19日 -
北信地域の農業を支える新拠点「農機具王 長野中野店」4月1日オープン2026年3月19日


































