「食料安全保障強化へ大胆な施策と農業予算増額を」 JA全中・中家会長が金子農相に要請2022年5月13日
JA全中の中家徹会長は5月12日、農水省を訪れ、金子原二郎農相にJAグループの政策提案を手渡した。この中で中家会長は、生産資材の高騰やウクライナ情勢などで食料安定供給のリスクが高まっているとして、肥料価格高騰の影響を緩和する仕組みの創設など食料安全保障の強化に向けた大胆な施策や農業関係の予算の増額などを強く求めた。
金子農相(中央)にJAグループの政策提案を渡すJA全中の中家会長(左から2番目)
農水省を訪れたのは、JA全中の中家会長と金原壽秀副会長、菅野孝志副会長、馬場利彦専務などで、同日の理事会で決まった「令和4年度食料・農業・地域政策の推進に向けたJAグループの政策提案」を金子農相に手渡した。
面会の中で中家会長は「今回の政策提案は食料安全保障の強化をメーンになっている。そのための予算の増額とともに、現状に合わない面が出ている食料・農業・農村基本法の見直しなどを進めてほしい。特に緊急的には肥料の高騰対策に取り組んでほしい」と要請した。
これに対して金子農相は「大変厳しい状況で農家のみなさんは大変ご苦労されていると思う。総理からもしっかりと対策を取るよう指示されている。食料安全保障の問題は非常に大きくなっており、状況を踏まえて取り組んでいきたい」と答えた。
JAグループがまとめた政策提案では、「食料安全保障保障の強化」や「地域の話し合いによる将来を見据えた活力ある産地づくりの推進」などを柱に掲げ、特に生産資材の高騰やウクライナ情勢によって食料や資材の多くを海外に依存している日本の食料安定供給についてリスクが高まっていると指摘、国民が消費する食料はできるだけ自国で生産する「国消国産」への取り組みを強く後押しする必要があると訴えている。
具体的には、当面の緊急措置として、生産資材価格の高騰による農家への影響を緩和するため、燃料・飼料のセーフティネット対策の改善や、肥料の価格高騰の影響を緩和する仕組みの創設などを求めている。また、輸入依存度の高い小麦や大豆、飼料用とうもろこしなどの大幅増産に向けた思い切った支援策や、食料の安定供給にリスク拡大などへの国民理解の醸成に向けた取り組みも求めている。
金子農相との面会のあと、中家会長は「今回の提案の柱は食料安全保障と申し上げ、大臣からは頑張りますとの言葉をいただいた。今後の動きも引き続き注視して状況に応じて対応していきたい」と述べた。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日