政府の総合緊急対策を「しっかり活用し危機乗り越えたい」 JA全中・中家会長 基本法見直しも言及2022年5月13日
JA全中の中家徹会長は5月12日の記者会見で、政府が先月公表した原油価格・物価高騰等総合緊急対策について、「肥料原料の調達支援や配合飼料価格高騰対策の基金積み増しなどいろいろな形で対策が行われることになった。われわはしっかり活用して直面する危機を乗り越えたい」と述べるとともに、さらに中長期的な肥料価格の高騰対策などを求めたいとの考えを示した。

記者会見するJA全中の中家徹会長
政府が4月28日に決定した原油価格・物価高騰等総合緊急対策で、農林水産関係では肥料原料の調達で輸送コストが上昇する掛かり増し経費などの支援に100億円、配合飼料価格の高騰対策として、国とメーカーで積み立てている異常補てん基金に435億円を積み増すほか、国産小麦生産拡大の支援策などが盛り込まれた。
この緊急対策について、中家会長は「いろいろな形で行われる対策をしっかり活用し、直面する危機を乗り越えていきたい」と述べ、生産資材の高騰などで苦しむ農家への支援や食料の安定供給の確保に向けた基盤整備などにつなげたいとの考えを示した。
今後求めたい対策としては、食料・農業・農村基本法の見直しに言及し、「制定からすでに20年が経過して現状とそぐわない点が出ている。例えば肥料についてもコスト低減の視点はあるが安定供給の視点がないなど見直しが必要と考えている」と述べ、政府への政策提案に基本法の見直しを含めた食料安全保障強化の基本政策の確立を盛り込んでいることを強調した。
また、改めて生産資材の高騰対策に関連して、「今まであまり議論されなかった生産資材対策が非常に重要になってきている。喫緊には肥料の高騰対策が求められるが、中長期的には自国でどう賄っていくかが重要であり、みどりの食料戦略とも関連した取り組みも必要だと思う」と述べ、政府に新たな対策を求めていきたいとの考えを示した。
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