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「飢餓の歴史」教訓に 食糧戦争を今に問う 協同組合懇話会2022年10月12日

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ウクライナ情勢が緊迫化するなか、JAや生協のOBなどで組織する協同組合懇話会は10月7日、定例の研究会を開き、「食糧戦争の歴史と現在」のテーマで、講演と意見交換を行った。講演した藤原辰史・京都大学人文研究所准教授は、20世紀の2度の世界大戦をはさみ、大きな飢餓を経験したドイツとソ連(ロシア)の例を挙げ、「食料不足は戦争と排外主義によってもたらされる」と言い、歴史を踏まえた農業政策の必要性を指摘した。

食糧戦争の歴史について話す藤原准教授(オンラインで)食糧戦争の歴史について話す藤原准教授(オンラインで)

飢餓を招いた大戦

藤原准教授によると、第1次世界大戦でドイツは連合国側に海上封鎖され、76万人の餓死者を出した。とりわけ、土地のやせたドイツでは肥料のチリから輸入途絶が決定的だった。

食料不足と絶望のなかで台頭したのがヒトラーのナチスだった。
ナチスは「ナチ農業綱領」で、農民の存在意義を明確に打ち出した。それも食料生産だけでなく、「農村住民を民族の遺伝的健全性の主要な担い手、民族の若返えりの泉、国防力の背髄」として位置付けた。
具体的な農業政策では、土地の集約的利用、肥料の効率的施用,間作の緑肥作物栽培、土地改良、小家畜の飼育などを奨励。戦争状態になっても、第1次大戦のような、農業生産の弱体化をもたらすことのない体制づくりの必要性を農民に呼びかけた。
一方、消費面では、「無駄なくせ闘争」を展開。農民が手をかけて育てた農作物は適切な値段で購入することや、買いだめした食物を腐敗から防ぐことなど、具体的に示し、この闘争は「ドイツ民族が作った収穫物への感謝」だとした。

一方、ソ連は1921~22年の内戦期、1932~33年の大飢饉,そして第2次大戦後の1946~47年と、3回の大飢饉を経験している。特に32~33年の飢餓は「ホロドモール」と呼ばれている。「ホロド」は「飢え」、「モール」は「抹殺」を意味し、ソ連共産党の農業政策の失敗による大飢餓は、〝農民帝国〟を訴えたナチスの政策を正当化する材料になった。

こうした歴史を踏まえ、藤原准教授は食料危機の特徴について、「二度を飢えたくない」という経験は、ほかの国や民族を飢えさせることで、「自分たちを飢えさせない」ことを選ぶため、特定の地域が飢えることになると指摘する。現在ではソマリアやバングラディッシュなどの飢えがある。また、国際紛争による経済制裁は、その後ろに国民や市民の存在があり、「意図的な〝飢餓の暴力〟」だと指摘する。

「民族主義」の危険も

一方、ナチスの例から、農業・農村重視の政策は「民族主義」や「人種主義」に結びつきやすい。有機農業も同様の傾向があることなどの問題提起があった。「新しい食と農の思想を築くには、この飢餓の過去を乗り越えないと、同じ過ちを繰り返す恐れがある」と同准教授は警告する。

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