BASF社と取り組むスマート農業「ザルビオ・日本版」を紹介 営農提案DXからフードバリューチェーン構築も JA全農2023年10月13日
JA全農は10月12日、千葉市の幕張メッセで開催中の「第13回農業WEEK」において、世界のスマート農業をリードするBASF社とセミナーを開催。衛星画像とAI解析による最先端の栽培管理システム「xarvio(ザルビオ)」を生産者やJA営農指導が導入する価値について紹介し、こうしたスマートバリュー提案から、行き着く先はフードバリューチェーンの構築も視野に入れていることを示した。
JA全農とBASF社によるスマート農業での協働が進展
JA全農では、全国のJAーTACを中心に「ZーGIS」「ザルビオ・日本版」の普及活動を展開するとともに、JAの営農指導を支援することにより、大規模生産者だけでなく小規模生産者もデータ駆動型農業を実践できるよう、JAへの提案を拡大している。また、環境調和型農業に向けた技術・資材を体系化した『グリーンメニュー』の取り組みを全国に水平展開していく考えだ。
人工衛星画像と農学AI解析で、栽培管理を効率化・最適化
BASF アグロソリューション事業部事業部長 野田信介氏
セミナーでは、最初にBASFジャパンアグロソリューション事業部事業部長の野田信介氏が、BASF社のスマート農業に対する考え方を紹介。サステナビリティの目標として①気候変動対応型の農業、②持続可能なソリューション、③デジタル農業、④スマートスチュワードシップ(製品の適切な管理・使用)を設定し、日本で展開しているザルビオ・フィールドマネージャーを使用した生産者が、人工衛星画像と農学AI解析で、栽培管理を効率化・最適化することで、「地球沸騰化」ともいわれた今年の記録的猛暑でも収量アップを実現していることなどを報告し、「持続可能な日本農業の実現のために(JA全農と)協働でスマート農業を推進し、ザルビオで日本の農業を元気にする」と語った。
ザルビオを活用したJA営農指導効率化からDXへ
JA全農耕種総合対策部部長 山田正和氏
続いて、JA全農耕種総合対策部部長の山田正和氏が、全農がすすめるスマート農業、環境調和型農業におけるザルビオフィールドマネージャーの活用について紹介。令和5年度に全国18ヵ所で実施したザルビオの可変施肥試験の速報値を報告した。熊本県のJA本渡五和管内2法人で行った、ドローンセンシングによる可変施肥を実施したほ場では、生育が均一となり、生育ムラがなかったことを報告した。「(猛暑に対応し)施肥量を増やしたことを勘案しても約13%の反収増に相当し、等級についてもほぼ1等米となり、約1haの可変施肥を償却年数分実施すれば投資回収が可能」と語った。また、ザルビオを活用した営農指導効率化(JA営農指導DX)の取組事例として、JAにいがた岩船、JAみえきたの穂肥や中干し指導の高度化・効率化について紹介した。
広がるザルビオ、生育ステージ予測(BBCH)が奏功
BASF アグロソリューション事業部マーケティング部カスタマーサクセス&
デジタルソリューションシニアマネージャー 関根真樹氏
最後に、BASFジャパンアグロソリューション事業部マーケティング部カスタマーサクセス&デジタルソリューションシニアマネージャーの関根真樹氏が、JA全農とBASF社との過去・現在・未来について語った。
2021年4月に水稲、大豆の生産者向けにサービスを開始して以来、2022年8月に対応作物を18作物に拡大、2026年には水稲輪作体系を中心に広範に普及する予定だ。現在、登録ユーザー数は1万1000件、ほ場登録面積は10万2000ha、AI解析ほ場数は17万2000ほ場、作業実行数は13万2000、生育・地力マップ解析数は100万マップ、可変散布実行数は1万2500ほ場であると数字を示しながら日本における普及進捗状況を報告。様々な生産者がザルビオで収量増・品質向上を達成している成功事例を紹介。例えば、ザルビオフィールドマネージャーで可変施肥とAIによる生育ステージ予測(BBCH)のサポートを行った埼玉県北葛飾郡杉戸町のヤマザキライスは、全量1等米で、かつ収量が15~20%アップした。「こうした生育ステージ予測(BBCH)が奏功し、現在、40ヵ所のJAでザルビオによる営農指導DXを検討中」と話し、広がりを実感しているようだった。
また、グローバルで展開しているフードバリューチェーン(FVC)を通じたザルビオベターフード(ポーク、ビール、ミルク)の取り組みにも言及し、今後の展開について紹介した。
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