「所得補償で農業守れ」 経済・財政分析から提言 農協愛友会で三橋貴明さん講演2025年5月12日
5月9日、東京都内で農協愛友会・協同組合懇話会合同記念講演会が開かれ、経世論研究所所長の三橋貴明氏が講演。日本経済と財政の課題状況を歴史的・構造的に解き明かしつつ、農業予算を大きく増やし国民の食と農業を守ろうと提唱した。
「日本の農業の経済的視点から未来を語る」をテーマにした講演で、三橋氏は、「このままでは10年後、米の自給は崩壊し、日本はアメリカから輸入した遺伝子組み換えの米に頼ることになる」と警鐘を鳴らした。
実体経済と金融経済の仕組みに始まり、日本経済の現状を豊富なデータをもとに説明。日本はもともと「本来の供給能力(潜在GDP)」が「総需要(名目GDP)」より多いデフレだったが、政治の失敗で供給能力が削がれた結果、昨年あたりから「総需要」が「本来の供給能力」を上回る、言い換えれば国内供給で総需要を満たせないインフレに変わった。
日本は敗戦直後も、戦争で供給能力の8割が破壊されたためインフレとなったが、その後高度経済成長を達成した。米も需要に対し供給が足りないから高騰しているが、逆にいえば、効率的に増産できれば稼ぐチャンスでもある。
占領下でのアメリカの対日穀物戦略、日本人の米、畜産物、油脂類の消費変化、アメリカやEUの過剰農産物輸出と移民問題との関係などにも言及しつつ、最後に日本の政党を「リベラルVS保守」「緊縮財政&グローバリズムVS反・緊縮財政&反・グローバリズム」で区分けした「新・日本の政治・経済マトリクス」を提示。農家を守り食料安保を真剣に考えるなら欧米並みの所得補償が必須であり、そのためには自民党政治を変えなければならないと力説した。
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