JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(45)【今さら聞けない営農情報】第311回2025年8月16日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しています。農薬の防除効果は、有効成分をいずれかの方法で作物に付着または吸着させることができてはじめて発揮されますので、高い効果を発揮させるには、有効成分をいかに効率よく作物に付着させるかが鍵となります。現在、濃厚少量散布が可能な機械の一つであるドローンで農薬を散布する際の留意事項を掘り下げて紹介しています。
すでにご紹介したように、その使用方法に「散布」あるいは「無人ヘリ散布」と記載のある農薬がドローンで使用でき、用途によって使い分けがなされています。前回、濃厚少量散布(=「無人ヘリ散布」)をより理解するための基礎知識として、濃厚少量散布と希薄多量散布(=「散布」)ともにどちらも10aあたりに投下される有効成分量としては同じであることをご紹介しました。
今回は、実際に濃厚少量散布を実施する際の注意事項とそのメリットとデメリットをご紹介します。
まずはメリットです。濃厚少量散布は10aあたりの散布液量が少なくて済むので、タンクに満タンの薬液を散布し終えるまでの面積は希薄少量散布の約10倍と格段に増え、効率性や労力軽減の面でも大きなメリットがあります。一般的な無人ヘリ散布登録を例にすると、8倍という濃い薬液を10a当たり0.8ℓという少ない水量で散布するため、積載可能液量が8ℓ程度のドローンでも一度薬液を満タンに積み込めば一度に1haを散布することができます。また、ドローンの機種にもよりますが、一般的に満充電したバッテリーで1フライト(満充電のバッテリーを積んで離陸し散布して着陸するまで)する15分間で1haの面積が散布可能とされています。
また、タンクに積み込む希釈水が少ないので、使用する希釈水の量が希薄多量散布に比べ圧倒的に少なくて済むため、希釈水運搬の労力や積載時間が大幅に減らせます。濃厚少量散布で使用する希釈水は清水である必要があるため、清水を用意・運搬する手間と労力を大幅に減らせます。特に、中山間部など、清水の用意が難しい地域でのドローンを使用した散布の場合、運搬する清水の必要量を減らせるだけでも手間が少なくなり、大きなメリットになります。
次回、ドローン散布で濃厚少量散布する際のデメリットについて紹介します。
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