日本産の米・米加工品の輸出促進策を議論 「GOHANプロジェクト」で事業者が意見交換 農水省2025年12月25日
農水省は12月23日、日本産の米・米加工品の輸出拡大戦略を事業者などと議論する意見交換会「GOHANプロジェクト」を開催した。第1回目となる今回は「日本の総合力を活かした"GOHAN"市場の確立に向けたコンテンツ別戦略」をテーマに議論が交わされた。
GOHANプロジェクトの概要
同プロジェクトは、日本産米の魅力が伝わりやすいGOHAN(米・米加工品)をコンテンツとして強力に打ち出すための具体策の検討が目的だ。メンバーは農水省、経産省に加え、コアメンバーとしてジェトロ(日本貿易振興機構)、JFOOD(日本食品プロモーションセンター)、全米輸(全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会)が参加した。事業者は、おにぎり、外食、パックご飯、冷凍米飯、海外実需者の12社と、生産・供給側からはJA全農インターナショナル、ヤンマーマルシェが加わった。
第1回会合に先立つプレ会合で整理した論点をもとに、各分野の事業者が意見を交換した。ジェトロやJFOOD、全米輸によるこれまでのプロモーションも踏まえ、今後は個社だけでなく、事業者間の連携による物流・商流の構築、ローカル企業との連携などを通じて販路を拡大し、需要の定着につなげる必要があるとの認識を共有。「輸出促進が継続的な需要につながるよう、事業者間で役割分担を行うための議論の足がかりを作った」(農水省農産局企画課米穀貿易企画室)としている。
農水省からは、食料・農業・農村基本計画に基づき、2030年に「米・パックご飯・米粉および米粉製品」の輸出量を35.3万t、金額922億円を目指す目標を紹介。これに対する2025年の輸出実績は136億円で、5年間で2.6倍に拡大。米食文化のある国・地域を中心に、日系小売りや外食店の販路拡大が進んでいる。
一方、国内需要は長期的に減少傾向にあるが、「米価高騰で輸出用米が手に入りにくいとの実需者の声がある一方、輸出実績は伸びている」と指摘。日本産米の魅力が伝わりやすい「コンテンツ」の貢献を挙げ、今後の課題として、米食文化のない国・地域や非日系市場の開拓、需要に応える供給体制の構築などを挙げた。
米・米加工品の海外向けコンテンツは、①「Handy GOHAN "ONIGIRI" to go」(おにぎり)②「GOHAN at restaurants」(日本食レストラン)③「Deli GOHAN」(惣菜)④「GOHAN at home」(パックご飯など家庭需要)の4分野を設定。海外市場で日本産米の魅力を訴求する。
プレ会合からの主要論点では、日本と海外では「おいしさ」の評価が異なることも背景に、「余れば輸出ではなく、ローカル視点に立った日本産米の生産・供給」の重要性などが示された。特に、香港やシンガポールなど、米食文化のある国・地域からのインバウンド(訪日外国人)需要に対応して、「生産地のストーリーや日本文化を複合的に活用すべき」などの意見が出された。これらを踏まえ、市場の確立のためには、官民や企業の垣根を越えた連携や、コンテンツ横断的なプロモーションのあり方が議論された。
今後は、実施可能なコンテンツの地域別プロモーションの実施や先行事例の検証を進め、2026年2月には「地域別のマーケット特性などを踏まえた輸出拡大戦略」をテーマに会合を開く。4月以降は①おにぎり・おむすび②外食③加工米飯のプロモーションを展開し、5月には「インバウンドを海外展開につなげるための切り口」をテーマに会合を開催し、2026年秋ごろには、事業者間連携の成果を報告し、プロジェクトの最終とりまとめを行う。
重要な記事
最新の記事
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(97)JIRACの分類【防除学習帖】第336回2026年2月14日 -
シンとんぼ(180)食料・農業・農村基本計画(22)水田政策の見直し2026年2月14日 -
農薬の正しい使い方(70)アミノ酸合成阻害【今さら聞けない営農情報】第336回2026年2月14日 -
ローマで一度は訪れたい博物館――国立ローマ博物館【イタリア通信】2026年2月14日 -
【人事異動】JA全農 部課長級(4月1日付) 2月13日発表2026年2月13日 -
全中トップフォーラム【情勢報告】JA全中常務 福園昭宏氏 役職員で意義共有を2026年2月13日 -
【実践報告①】JA十和田おいらせ組合長 畠山一男氏 支店長を核に出向く活動2026年2月13日 -
【実践報告②】JAセレサ川崎組合長 梶稔氏 相談体制と職員育成に力2026年2月13日 -
【実践報告③】JA富山市組合長 高野諭氏 トータルサポート室奏功2026年2月13日 -
【実践報告④】JAたじま組合長 太田垣哲男氏 "地域ぐるみ"接点強化2026年2月13日 -
【実践報告⑤】JAえひめ中央理事長 武市佳久氏 新規就農の育成に力2026年2月13日 -
【実践報告⑥】JA鹿児島みらい組合長 井手上貢氏 "考動"し実践する職員に2026年2月13日 -
【特殊報】キュウリ退緑黄化病 県内で初めて発生を確認 三重県2026年2月13日 -
【サステナ防除のすすめ】IPM防除の実践(病害編) 生態系、環境に配慮(1)生物的防除とは2026年2月13日 -
【地域を診る】気仙沼・陸前高田を訪ねて 「思い込み」からの解放を 京都橘大学学長 岡田知弘氏2026年2月13日 -
【サステナ防除のすすめ】IPM防除の実践(病害編) 生態系、環境に配慮(2)物理的防除法2026年2月13日 -
【サステナ防除のすすめ】IPM防除の実践(病害編) 生態系、環境に配慮(3)耕種的防除法2026年2月13日 -
2週連続で価格上昇 スーパー米価5kg4204円 高止まり、いつまで2026年2月13日 -
米価高騰背景、純利益55億円の「過去最高益」 木徳神糧25年12月期決算2026年2月13日 -
【26年度生乳生産】5年連続減産、初の都府県300万トン割れか2026年2月13日


































