渡り鳥「キビタキ」「ノビタキ」越冬地との間の移動経路を明らかに 森林総研2025年8月14日
森林研究・整備機構森林総合研究所、北海道大学、オルデンブルク大学、北海道立総合研究機構林業試験場、ニュージーランド森林研究所、バードライフインターナショナル、国立環境研究所、人間環境大学、神戸大学、東京大学の研究グループは、日本の小型の渡り鳥(キビタキとノビタキ)の越冬地との移動経路について調査。また、越冬地での保全活動に対する支払い意志額についてのアンケート調査を実施した。
同研究では、キビタキとノビタキの渡り経路について小型のロガー(ジオロケーター)を用いて追跡。越冬地である東南アジアとの間でどのような地域を通って移動しているのかを具体的に明らかにし、これまでに確認されていなかった新たな経路の存在も判明した。
具体的には、北海道中部でキビタキとノビタキのそれぞれ51個体にジオロケーターを装着し、翌年帰還したキビタキ18個体とノビタキ13個体を再捕獲。ジオロケーターに保存されたデータを回収した。
照度データの解析の結果、キビタキは南西諸島とフィリピンを経由して南下し、主にボルネオで越冬していた(図1左)。春はインドシナ半島と中国を経由して日本へ北上し、季節によって渡り経路が異なる「時計回りの環状経路」を示した。

一方でノビタキは越冬地であるインドシナ半島と日本の間を中国経由で両季節とも移動していた(図1右)。以前の研究では、ノビタキはロシア東部を経由して南下していることが示されていたが、今回の研究から、本州経由の新たな南下経路(図1右の青線)が存在することも明らかになった。
また、越冬地である東南アジアでの鳥類保全活動(森林・湿地の保護や環境保全型農林業)に対する日本人の支払い意志額には何が影響しているのかを、オンラインアンケートによって調査。その結果、支払い意志額を最も大きく左右していたのは、回答者の自然との心理的つながり(人が自然との間に感じる一体感の強さ)だった。
地理的に離れた場所における保全活動への社会的支持を高めるには、環境教育、宿泊型キャンプ、身近な自然体験などを通じて、特に幼少期から自然とのつながりを育むことが重要であると考えられる。
同研究成果は5月27日に『Journal of Ornithology』誌、4月4日に『Animal Conservation』誌でオンライン公開された。
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