農水省幹部 需要見通し誤りを謝罪 自民部会2025年8月8日
自民党は8月8日、農業基本政策検討委員会を開き、今後の米政策について議論した。
自民党の会合で謝罪する農水幹部(左)
「需要に応じた増産」を確認
自民党の農林議員の間では8月5日の米の関係閣僚会合で米高騰の要因は米の生産量が需要量に対して不足していたためとする農水省の説明や、これを受けた石破首相が「増産に舵を切る」との方針を示したことに対して、「現場では作りたい人が作りたいだけ作るという誤ったイメージを広げてしまう」などと不満、不信が高まっていた。
会合では宮下一郎総合農林政策調査会長が上月良祐農林部会長とともに小泉進次郎農相を訪問して認識を確認したとして、これまでの需要に応じた生産が基本であり、現時点では米の需給バランスが崩れ供給を増やさなければならない状況にあることから、「需要に応じて増産する」という意味だと強調した。
一方、8月5日の関係閣僚会合で需要量に対して生産量が不足していたとの説明は「これまでのわれわれの認識とは大きく違う」と不信感を露わにした。参院選前の6月19日に開いた会合では農水省は「米の生産は足りている」と説明していたからだ。
これに対して出席していた農水省の渡邊毅事務次官ら幹部が立ち上がり「米は足りていると説明してきたが、見通しを誤った。お詫び申し上げたい」と謝罪した。
その後、出席議員からは「現場は間違いなく増産に走っている。急いで消さないともっと大きな話になる」、「パフォーマンスやワンフレーズで農政を語ってはいけない」、「(農政に対する)信頼を大きく失った。精度の高い需給見通しを早急に出すべき。増産では取り返しのつかないことになる」などの意見が出た。
また、需要に応じた生産については作付減により打撃を受ける畜産農家がすでに出ている飼料用米や、需要の伸びが見込める米粉の本格的な生産、さらに麦、大豆とセットにして需要に応じた生産を進めるべきなどの指摘もなされた。
閣僚会合では耕作放棄地の活用の方向も示されたが、水路の整備なども必要で「絵に描いた餅」との批判もあったほか、「現場から言葉を信じてもらえなくなっている」「信頼を回復することが大事で、誤ったメッセージを出すのはやめてほしい」と厳しい指摘もあった。
水田政策見直しで新委員会設置
会合で宮下会長は水田政策見直しや農業構造の転換などをテーマにした新しい委員会を党内に設置することを明らかにした。
農業構造転換実現委員会などの名称が検討されており、▽新たな水田政策の対応方向、▽官民による備蓄対策の強化策、▽食料システム法施行を踏まえた流通円滑化、▽農業構造転換を実現するための農地集約や大区画化など生産性向上、▽需要に応じた米の生産に向けた団体や企業などとの連携などを幅広い事項を検討する。役員など人選はこれからの検討だという。
水田政策の見直しなどは政府の関係閣僚会合でも検討される予定だが、党も議論を主導する狙いで森山幹事長の指示を受け設置を決めた。
会合後、宮下会長は「需要に応じた生産が基本」と繰り返し話し、生産調整を止めるという政策転換ではなく、「生産調整のための既存のデータが不正確だったという反省に立って、(需給見通しの)精度を上げていく。そのなかで需要があれば増産する。未来永劫増産していくことを決めましたということでは全然ない」と語った。
同時に需要に応じた生産で適正な価格形成を実現することを重視する認識を示し、増産による価格下落を所得補償する政策には否定的な考えを示した。
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