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37年ぶりの国主催の国際園芸博 国民全員が「農」を考える契機に(1) 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年5月12日

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2027年、横浜市の旧上瀬谷通信施設で横浜国際園芸博覧会(GREEN×EXPO2027)が開催される。37年ぶりの国主催の国際園芸博となる。横浜国際園芸博覧会農&園芸コーデイネーターを務める千葉大学大学院園芸学研究科客員教授の賀来宏和氏に同博覧会の意義などについて寄稿してもらった。

千葉大学客員教授・賀来宏和氏千葉大学客員教授・賀来宏和氏

令和9(2027)年、横浜で国際園芸博覧会が開かれる。平成2(1990)年にアジアで初めての国際園芸博覧会「国際花と緑の博覧会」(通称:「花の万博」)が政府によって大阪市で開催され、その後、わが国では、兵庫県で平成12(2000)年のジャパンフローラ2000(愛称:「淡路花博」)、静岡県で平成16(2004)年のパシフィックフローラ2004(愛称:「浜名湖花博」)と国際園芸博覧会が開かれてきたが、今回の横浜国際園芸博覧会(GREEN×EXPO2027)は37年ぶりの国主催の国際園芸博覧会である。

AIPH(国際園芸家協会)によって承認される最上位(A1クラス)の国際園芸博覧会であり、政府間の国際条約に基づくBIE(博覧会国際事務局)認定の万国博覧会にもあたる。

私は、初回の「花の万博」の際に当時の建設省の大阪担当であった縁で、そのアジアで初めての国際園芸博覧会の誘致に立ち会い、また、開催3年前からはその準備・運営の専任として、博覧会終了後の基本理念継承事業の立ち上げまで、4年間にわたって同博を担当した。その後、機会を得て、独立し、「淡路花博」にも一部関わり、「浜名湖花博」では開催9年前から、企画構想に参与し、準備・運営期間中は総合企画監理を担当した。

また、私事ではあるが、私個人は居住地の近隣に家庭菜園を営み、最近では茨城県石岡市で地域の知己を得て、現状は生業には至らぬものの、小規模ながら耕作を始め、2カ所の細やかな土地を耕し、一部の作物は自給に至っている。

国際園芸博覧会は、国の所管では農林水産省と国土交通省にあたるが、初回の「花の万博」は、当時の中曽根総理大臣が掲げた「緑の三倍増構想」の中に位置づけられた具体的政策の普及啓発事業として実施されたもので、その後に身の回りに花や緑を飾るガーデニングブームが訪れ、「ガーデニング」は平成9(1997)年の流行語大賞を受賞する言葉となった。

ともすれば、国際園芸博覧会の単語から、園芸それも狭義の花き園芸を対象としたものとみなされがちだが、そもそも欧州で第2次世界大戦後に創立された国際園芸家協会と国際園芸博覧会の仕組みは、花き園芸のみならず、野菜、果樹、樹芸を含めた園芸、庭園、都市緑化などの造園はもとより、広く農業全般を対象領域としており、近年では地球環境問題を背景に、環境により重点を置いたグリーンシティの概念普及を図っている。

私は、この横浜国際園芸博覧会が横浜市から提起され、政府として国の国際園芸博覧会とすべきか否かの判断を行う際の政府懇談会の委員として参画した。2年にわたって、都合6回の会合が行われ、政府主催で行うべきとの結論を得たが、私はその二年目の懇談会の冒頭で、「農は国の存立基盤であること」を強く意見として述べた。

懇談会開催当時は、未だ、ウクライナの戦乱もなく、その後に急速に世間の耳目を集める食料安全保障も、当時はさほど話題とならない時勢であったが、私の研究対象の一分野である鎮守の森の参拝・調査を通じて、中山間地の農地の様子を見る機会が多く、その危機感から前述のような意見を述べたものである。

余談であるが、私は鎮守の森の学会ともいうべきNPO法人社叢学会の理事を務めている。鎮守の森とは、学会の定義では、主として神社の森を中心に、寺院や民間信仰に伴う森など、例えば、沖縄地方に見られる御嶽などを含めた概念であるが、私は延喜式内社と称される平安時代にその存在が確認できる神社など古社を中心に全国で6000社超の神社を巡っている。その多くが中山間地に鎮座しており、その理由は別稿としたいが、そのような鎮座地の集落の状況と合わせて、地域の農地を拝見する機会が多い。

昨今の米の値段の上昇により、多くの国民がようやくわが国の「農」に関心を寄せる機会が到来している。これはそもそも前述の政府懇談会の折には想定されていなかった。少なくとも政府として訴求すべきものであるとの認識が弱かった事象であると思われる。しかるに、私は「存立基盤」の話をしたのである。

専門領域ではなく、具体的な統計数字は手元にないが、農地、とりわけ中山間地における農地はかなりが失われつつあると思う。中山間地の鎮守の森を訪ねる際には、集落の方々とお話をする機会も多い。その多くが高齢者である。そして、今も続けられている農の営みは、この十年で消失するのではないかというのが実感である。

37年ぶりの国主催の国際園芸博 国民全員が「農」を考える契機に(2)つなぐ「国民皆農」運動に (5/13掲載予定)

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