【TACパワーアップ大会2023】担い手とともに活気ある地域農業を未来に TACトップランナーズJAの事例報告2023年11月28日
TACトップランナーズJAは、TACパワーアップ大会でこれまで3回以上JA部門を受賞し高いレベルでのTAC活動を続けているJAが受賞対象とされている。今回はJA金沢市とJA阿蘇が選ばれた。
コミュニケーション 基礎中の基礎
JA金沢市(石川県)担い手支援室長 押田哲男氏

専任TAC2人と兼任TAC23人の計25人が活動している。兼任職員は積極的な訪問と情報収集に取り組み、担い手に必要なものは何か捉える。一方で購買業務での重点品目の実績管理、生産資材の推進なども行う。
23人で年間約1万7000件の訪問実績があり集落営農法人支援、新規就農支援、記帳代行、農福連携、事業承継などに取り組んでいる。
TAC活動のスキルを強化するため、外部コンサルタントから担い手との会話の切り口を伝授してもらい、ベテランと新人TAC共通の会話を決め、担い手との会話を成熟させる取り組みをしている。
i‐padを持参し担い手に迅速に情報を提供したり、専任TACが同行訪問し提案のテクニックを伝授するほか、金融部と部門間連携を行い、農機具や融資、補助事業など一度に提案、担い手の満足度向上を図っている。その基軸とはTACの情報収集だ。
TACがコミュニケーションをとるのは基礎中の基礎。与えられた課題は逃げずに時間をかけても解決していきたい。
労働力軽減と品質低下防止を支援
JA阿蘇(熊本県)営農部 園田真治氏

TACは以前は水稲にウェイトを置く職員が多かったが、2021年に3人から6人へと増員し半数を園芸担当とし、的確な情報発信ができる体制へ再構築した。
これによって適切な栽培管理が行えるようになり、阿蘇コシヒカリ全体の品質と収量増でJA取扱量が前年比150%超となった。園芸主体の農家も年間総所得が向上した。
労働力の軽減と品質低下を防止するため、麦作で無人ヘリによる防除を管内2法人が導入した。それによって通常3日間の作業が5時間で済み、オペレーター料の削減、労働力の軽減、さらにや別作物の適期管理などへ時間を使うなど作業効率が上がった。
麦の防除では労働時間が19時間削減でき、防除費用、オペレーター料とも下がり12万円の費用削減を実現した。
今後は気候変動よって天候が不安的となり、管理作業の適期見極めが難しくなっていることから、栽培管理システムを活用した栽培管理と、増加する管理面積に対応する水田用自動給水機の設置を進めていきたい。
(関連記事)
地域農業の未来 原動力は出向く活動 TAC部門の全農会長賞にJA石川かほくの櫻井さん TACパワーアップ大会2023
【TACパワーアップ大会2023】担い手とともに活気ある地域農業を未来に JA部門事例発表
【TACパワーアップ大会2023】担い手とともに活気ある地域農業を未来に TAC部門事例発表
【TACパワーアップ大会2023】担い手とともに活気ある地域農業を未来に 地区別優秀賞
【TACパワーアップ大会2023】提案する時代から伴走する時代へ 担い手とともに地域農業を作る JA全農耕種総合対策部 岩田和彦次長に聞く
重要な記事
最新の記事
-
日本産米・米加工品の輸出拡大へ 意見交換会「GOHANプロジェクト」設置 農水省2025年12月22日 -
令和7年度スマート農業アクセラレーションサミット開催 JA全農2025年12月22日 -
【人事異動】ヤマタネ(2026年1月1日付)2025年12月22日 -
日本トリム 農業用電解水素水整水器を活用 いちご「肥後こまち」販売開始2025年12月22日 -
宅配インフラ活用 地域を見守り子育て応援 九十九里町と連携協定 パルシステム千葉2025年12月22日 -
大分県大分市佐賀関大規模火災お見舞い金100万円を拠出 コープデリ2025年12月22日 -
新春は「いちごと洋梨のケーキ」丹頂鶴をフルーツで表現 カフェコムサ2025年12月22日 -
障害者雇用支援のエスプールと持続可能な農業モデル構築へ概念実証を開始 食べチョク2025年12月22日 -
滋賀県日野町と農業連携協定 生産地と消費地の新たな連携創出へ 大阪府泉大津市2025年12月22日 -
ブラジルCOP30から世界の気候危機を知る 現地イベント報告 パルシステム連合会2025年12月22日 -
おてつたび 関係人口創出の取組が評価「日本サービス大賞」で優秀賞2025年12月22日 -
AGRIST キュウリ自動収穫ロボット いばらきデザインセレクションで「知事選定」受賞2025年12月22日 -
「野菜をたのしむ」シリーズ第2弾「2種の大豆と白みそのスパイスカレー」新発売 坂ノ途中2025年12月22日 -
「日本の棚田フォトコンテスト」最優秀賞は「シンクロナイズドドロリング」ヤマタネ2025年12月22日 -
茨城県下妻市と包括連携協定 米を活用した健康・農業振興など予定 東洋ライス2025年12月22日 -
「乳和食」開発者の料理家・管理栄養士を招き「びん牛乳学習会」開催 グリーンコープ2025年12月21日 -
シンとんぼ(173)食料・農業・農村基本計画(15)目標等の設定の考え方2025年12月20日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(90)クロロニトリル【防除学習帖】第329回2025年12月20日 -
農薬の正しい使い方(63)除草剤の生理的選択性【今さら聞けない営農情報】第329回2025年12月20日 -
スーパーの米価 前週から10円上がり5kg4331円に 2週ぶりに価格上昇2025年12月19日




































