最優秀賞に岡部樹さん(JA兵庫六甲) JA営農指導実践全国大会2025年2月21日
JA全中は2月20日、東京都内で第9回JA営農指導実践全国大会を開いた。会場には190人が集まったほか、オンラインで140人が視聴した。
最優秀賞を受賞した岡部樹さん
開会のあいさつで山野徹JA全中会長は生産資材価格の高止まりと気象災害の頻発など、厳しい農業の現場で「最前線で奮闘し組合員に寄り添って尽力している営農指導員に敬意を表する」と呼びかけるとともに、大会を通じて能力向上と士気を高め、今後も組合員と一丸となった農業振興への取り組みが全国で実践されることを期待した。
大会には全国8地区から代表として推薦されたJAの営農指導員8人が事例を発表した。
今回、再優秀賞に選ばれたのは近畿ブロック代表の岡部樹さん(兵庫県JA兵庫六甲)。「黒大豆枝豆1億円産地の道~農協の使命を果たすために」と題して発表した。
岡部さんは三田営農総合センターの営農指導員として黒大豆枝豆部会を担当している。
コロナ禍で日本酒需要の大幅な減退で地域農業の柱だった山田錦の減産を余儀なくされた生産者とともに、黒大豆枝豆の産地づくりに取り組む。
課題は53%と低い正品率の向上や出荷予測、販売単価の向上だった。
正品率の向上には優良部会員の栽培日誌を分析し、天候任せにせず必要に応じて灌水することや、こまめな防除と短期間での収穫などの取り組みを他の部会員へ横展開した。
現地研修会も実施するとともに、灌水時期をLINEでタイムリーに情報発信することにも取り組んだ。
出荷予測にはZ-GISを導入し、約500筆のほ場を見える化、防除、灌水、収穫時期が一目ふぇ分かるようにした。
また、収穫適期を見極めるため大豆のさやの厚みをデジタルノギスで測定し基準を作成、Z-GISとデジタルノギスを組み合わせることで収穫目安カレンダーを作成し、出荷時期と出荷量の予測にも挑戦した。
販売単価の向上には全国からのブランド名を応募し「六甲黒ゆたか」に決定し令和6年から解禁、取引先とともにブランドづくりに取り組んだ結果、高単価を実現した。
令和6年には部会の販売高が1億860万円と目標の1億円を超えた。令和3年の2倍となった。
5年後には部会販売高2億円をめざし、また、枝豆の後作としてのキャベツ栽培などで水田をフル活用、農業所得のさらなる向上に取り組みたいと話した。
岡部さんは受賞のあいさつで第2回大会で先輩(畠一希氏)が最優秀賞を受賞していることに触れ「これで肩を並べることができました。他の営農指導員と組合員とともに得た成果です」と話した。
審査員特別賞は北海道・東北ブロック代表の佐藤昌子さん(山形県JAおいしいもがみ)の「合併JAのスケールメリットを活かした園芸の生産拡大~野菜産地のさらなる高みを目指した挑戦~」と、四国ブロック代表の三村和志さん(香川県JA香川県)の「愛情いちばん! 池田の赤ギク-伝統的特産品の継承をめざして」が選ばれた。
優秀賞6人は以下の通り。
◯関東・甲信ブロック:田島久晴さん(埼玉県JAさいたま)「低利用・未利用産地への総合的な営農支援~花産地へゼロからの営農指導3年間の成果~」
◯九州・沖縄ブロック:森本智憲さん(福岡県JA糸島)「糸島クルクマ西日本一の産地へ! ~夏の新定番への挑戦~」
◯北陸ブロック:櫻町森彦さん(福井県JA福井県)「里芋疫病面的一斉防除の実施~産地の維持に向けて~」
◯中国ブロック:今岡翔哉さん(島根県JAしまね)「盛り上がれ! 多伎いちじく~1億円産地復活を目指して~」
◯東海ブロック:加藤大和さん(愛知県JAあいち海部)「れんこんから見通した持続可能な未来の実現に向けて~愛知から世界へ挑戦する産地づくり~」
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