JAの活動:新世紀JA研究会 課題別セミナー
信用事業譲渡 不確定な手数料2017年2月14日
「課題別セミナー」 第3回「JA信用事業の事業譲渡について」の後半部分の意見交換(紙面の都合で前回掲載できなかった意見交換を掲載します)。
【JA】農水省の説明の中で、持続可能な信用事業の将来ビジョンを持たねばならないとの指摘があったが、事業譲渡後の信用事業収益のシミュレーションに関して、今後代理店化した場合JAがどれだけの手数料が得られるのか。信連サイドからは未だに「想定が難しい」との理由で、具体的な回答が得られていない。東京のJAでは検討が進んでいると聞くが事情をお聞かせ頂きたい。
【JA】東京のJAからの文書回答では0・320%であり、一定の採算が見込まれるものの、不確定要素が多い。
【農林中金】今回、農水省から説明を受けたのは、規制改革会議なり政府内での協議結果を踏まえ、それを公式見解として、そのまま忠実に説明したものと受け止めている。事業譲渡は「規制改革実施計画」の中で積極的に活用を進めようとしているものであるが、これは、むろんJAの総代会における議決事項で、国や行政から強制されるものではない。
今後、農水省の監督指針や自己改革の実施状況アンケートの結果から、「検討していない」JAは2~3年でマークされていくことになる。要は積極的に活用を検討したかどうかが問われるのであり、その結果を政府・与党に返さなければならない。参院選が3年後にあり、その後准組合員の調査期間が終わるなどを考えれば、おそらく3年後ぐらいには、間違いなく検討結果の報告を求められることになる。農林中金としては、すでに代理店スキームを26年末にお示ししているが、分かりにくい面もあるので今後改善していきたい。最終的には個別の相談になるが、われわれとして、農水省にこれからもいうべきことは言っていきたい。
【農中総研】信用事業の事業譲渡の問題について、准組合員問題との関係も含め、全中とも調整して進めていきたい。地域再生と相まってJA・組合員の理解を得ながら進めていきたい。
【JA】本日は、農水省から事業譲渡・代理店化のメリットしか説明がなかったが、デメリットをどのように考えるか。これについては、まず推進に影響が出てくる。また、仮に0・4%の手数料としても、収支は確実に悪化する。営農経済事業に簡単に人を移すことはできず、雇用問題が発生することになる。さらに貸出しが困難となり、とくに農業法人への運転資金対応などはできなくなる。また、JAとして潤沢な運転資金を活用できなくなり、経営に大きな影響が出てくる。組合員サービスが低下し、情報のやり取りができなくなるだろう。
【JA】北海道の当JA(貯金120億円、販売70億円)に置き換えれば、代理店手数料が0・4%になれば4000万円の減収、営農経済事業に回しているお金は現在9000万円なので、それが半分になる。それでいいのか、しっかり対応していきたい。
【JA】自主選択ということだが、アメリカ在日商工会議所などアメリカの圧力があり、そうせざるを得ないように仕向けられるだろう。郵貯は事業分割によって90兆円の貯金を失った。これがJAなら大変なことになる。言うべきことははっきり言っていくことが重要だ。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】普通期水稲に紋枯病 県内全域で多発のおそれ 長崎県2025年9月5日
-
「適正な価格」の重要性 消費者に訴える 山野全中会長2025年9月5日
-
米価暴落防ぐ対策を 小泉農相に小松JA秋田中央会会長2025年9月5日
-
(451)空白の10年を作らないために-団塊世代完全引退後の「技術継承」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月5日
-
【統計】令和7年産一番茶の荒茶生産量 鹿児島県が初の全国一位 農水省調査2025年9月5日
-
【統計】大豆生産費(組織法人)10a当たり0.7%増 60kg当たり1.6%増 農水省調査2025年9月5日
-
【統計】大豆生産費(個別)10a当たり0.8%増 60kg当たり10.7%減 農水省調査2025年9月5日
-
【統計】冬キャベツ、冬にんじんの収穫量 前年比2割減 農水省調査2025年9月5日
-
長野県産ナガノパープルのスイーツ「いっちょう」「萬家」全店で提供 JA全農2025年9月5日
-
『畜産酪農サステナビリティアクション2025』発行 JA全農2025年9月5日
-
「国産シャインマスカット」全国のファミリーマートで販売 JA全農2025年9月5日
-
「わたSHIGA輝く国スポ2025」参加の広島県選手団へ清涼飲料水贈呈 JA共済連広島2025年9月5日
-
「いちはら梨」が当たるSNS投稿キャンペーン実施中 千葉県市原市2025年9月5日
-
猛暑対策に高性能遮熱材「Eeeサーモ」無料サンプルも受付 遮熱.com2025年9月5日
-
農機具王とアグリスイッチ 構造再編をチャンスに「週末農業プロジェクト」始動2025年9月5日
-
鳥インフル ハンガリーからの生きた家きん、家きん肉等の一時輸入停止措置を解除 農水省2025年9月5日
-
旬の巨峰を贅沢に「セブンプレミアム ワッフルコーン 巨峰ミルク」新発売2025年9月5日
-
見る日本料理の真髄「第42回日本料理全国大会」開催 日本全職業調理士協会2025年9月5日
-
海業推進イベント「IKEDAPORTMARCHÉ」小豆島・池田港で初開催 池田漁業協同組合2025年9月5日
-
ガラパゴス諸島の生物多様性保全と小規模農家の生計向上事業を開始 坂ノ途中2025年9月5日