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JAの活動:農協時論

【農協時論】農業は生命産業 食料危機脱却へ今こそ協同の力 髙武孝充・元JA福岡中央会農政部長2022年10月11日

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「農協時論」は新たな社会と日本農業を切り拓いていくため「いま何を考えなければならいのか」を、生産現場で働く方々や農協のトップの皆様などに胸の内に滾る熱い想いを書いてもらっている。今回は元JA福岡中央会農政部長で農学博士の髙武孝充氏に寄稿してもらった。

レイドロー報告「西暦2000年における協同組合」

髙武孝充 元JA福岡中央会農政部長髙武孝充
元JA福岡中央会農政部長

1989年レイドローは、第Ⅴ章「将来の選択」の第一優先分野―世界の飢えを満たす協同組合の中で「協同組合が一番成果を上げたのは、農業や食料にかかわる多くの分野であったことについて異存がある人はほとんどいない。協同組合が、その技術や手法の有効性を実証し得た特定の事業分野があるとすれば、それは全世界的に見て食料の生産、加工、販売の分野である。(中略)消費者協同組合は、食料品の流通販売面では一番よく知られた組織である。...要するに、食糧については、生産から販売までが、協同組合としての最大の能力と経験を持っている分野である」と記した。

SDGs「誰一人取り残さない」

持続可能な開発目標(SDGs)は、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、15年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された30年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標である。17のゴール・189のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っている。SDGsは普遍的なものであり、わが国としても積極的に取り組んでいる。

17の目標の①「あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ」②「飢餓をゼロに」であり、国民の生命(いのち)と健康を守る食料を生産する農業者の組織である農協こそがSDGsの誓い「誰一人取り残さない」とピッタリ重なるものである。世界の飢餓人口約8億1000万人、うちアジアが5億3000万、貧困は7億6700万人(1日当たり1・9ドル以下の生活者=2018年、国連)と言われる。

19年12月中国・武漢で発生した新型コロナウイルスは世界中に拡大し、食料の需要が落ち込み、さらに22年2月24日ロシアのウクライナ侵攻は、両国が穀物の世界有数の輸出国であり、加えて熱波の影響で米国、カナダ、インドなどの小麦生産量、貿易量に大きな影響を与えた。自国民の食料安全保障を証明したのがインドであり、小麦の輸出禁止を宣言し「食料主権」を守った。至極当然だ。

筆者は、1998年以降、「農業は生命産業だ」と言い続けてきた。世界的食料危機が叫ばれ、改めてこのことを実感している。

食料自給率低下はメガFTAが主な要因

2020年日本の食料自給率が37・17%と過去最低となった。新型コロナウイルス禍で食料の需要減少の影響もあるが、主因はFTA・EPAである。特に、12年12月に成立した第二次安倍内閣は、13年初頭に打ち出した大胆な金融緩和が一気に円安・株価高を導き、経済政策(アベノミクス)に対する期待から内閣支持率も高率を維持しているのを踏まえて、3月TPP交渉の姿勢を鮮明にした。

農協陣営は、国内農業の崩壊という危機感から全中(当時)を中心に、反TPP運動を展開したが、「TPP11」は18年12月30日に発効された。17年に米国がTPPを離脱したが、米国とはFTAを締結した。この間の16年には改正農協法が施行され、農協中央会に関する章が全面削除されたため全中は一般社団法人、都道府県中央会は連合会となった。

故安部晋三首相が18年の通常国会で演説した「60年ぶりに農協改革を実施した」「岩盤にドリルで穴をあける」の本音は、農協の解体である。「農業は成長産業だ」と言いつつも種子法廃止、一般企業の農地取得(国家戦略特区法)など真逆の政策が実施された。

22年9月に放映されたシンポで鈴木宣弘教授(東京大学大学院農学生命科学研究科)は、「食料安全保障推進法」制定を提案した。「食料安全保障」が現実的なものになることを望む。

「食料主権」を根拠にした生産刺激政策が食料自給率を上げる

食料輸入での「買い負け」が現実となった。WTO農業協定は機能しておらず、わが国が提案した「多面的機能」は自由貿易のみではなく「食料主権」があることを再確認すべきだ。

一例が、輸入米を00年以降76・7万㌧(玄米)輸入義務としている。そんな国はどこにもない。輸入量の基準年は1060万㌧の消費だ。

今は730万トン程度で理論的にも削減は可能だ。農協は交渉権がないので政治家マターだ。04年に出された東南アジア諸国連合10カ国に日本、中国、韓国を加えた13カ国が緊急時に備蓄米を融通しあい食料危機の国を支援するという「東アジア緊急米備蓄」構想はどこにいったのか。水田の有効活用に加え生産刺激政策を導入すれば食料自給率50%は可能だ。残り50%は「食料安全保障推進法」で輸入と備蓄を具体化すればよい。

JCAの質的向上が問われている

食料自給率向上は農協がいくら頑張っても食料自給率50%は不可能だ。18年4月「一社 日本協同組合連携機構」(JCA)が発足した。農協・生協・漁協・森林組合・ワーカーズコープ・共済など協同組合の全国組織17団体が集う「日本協同組合連絡協議会(1956年設立)」を引き継ぎ、一社・JC総研を改組して誕生した。全国のいたるところで協同組合連携が動き出してほしい。それには、農協の女性部、青年部にも大いに期待したい。

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