JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは86 有機質資材を活用した施肥(24)【今さら聞けない営農情報】第205回2023年6月24日
みどりの食料システム法が施行され、国内の肥料資源(特に有機質資材)を活用した施肥の重要度が増しています。そこで本稿では、堆肥、汚泥肥料、食品残渣、有機質肥料、緑肥作物といった有機質資材を有効活用するために必要な知識として「有機質資材が持つ作物の健全な生育に役立つ効能」についてご紹介し、現在、有機質資材利用にあたって理解しておきたい基本的事項をご紹介しています。
今回は、有機質資材を窒素源として使用する場合に注意しなければならない実際の有機質資材ごとのC/N比をご紹介します。
C/N比が小さい有機質資材は、窒素含量が高くて無機化量も多いため、肥料的な効果が高く、窒素飢餓は起こりにくい資材です。それは、C/N比が10~20程度を示すもので、具体的には堆肥類、乾草クローバー、ベッチ茎葉、開花期のつるエンドウ、乾草アルファルファ、大豆の葉などです。
これに対し、C/N比が大きい有機質資材は、窒素含量が低く無機化量も少ないため、土壌中の微生物が土壌中の無機態窒素も取り込んでしまうため窒素飢餓を起こしやすくなります。それはC/N比が70以上のもので、具体的には稲籾殻、ハダカムギの稈、オオムギの稈、コムギの稈、トウモロコシの穂軸、ライムギの稈などです。
C/N比が20~70で上記の中間にあるものは、テンサイ茎葉、成熟期つるエンドウ、ソルゴー稈、青刈りトウモロコシ、野草乾草、ナタネ稈、カンショつる、稲わらなどがあります。このグループに属する有機質資材は、資材によって全窒素含量が異なり、特にC/N比が50を超える資材は窒素飢餓を起こしやすい資材になりますので注意が必要です。
いずれにしても有機質資材を施用する場合は、施用予定の資材の全窒素量を予め確認の上、土壌診断に基づく必要量に応じて施用量を決定するようにします。
有機質資材を活用した施肥
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