JAの活動:今さら聞けない営農情報
土壌改良材(11)【今さら聞けない営農情報】第230回2023年12月23日
みどりの食料システム法が施行され、国内資源を活用した持続型農業への転換が求められ、特に有機質資材の活用に期待が高まっています。いうまでもなく、作物が育つためには、光、温度、水、空気の他、土壌から栄養素を吸収する必要があります。この栄養を供給する土壌の良し悪しが、農作物の品質や収量を左右しますので、作物の生育に適した土づくりが必要になります。
そのためには、土壌診断を実施して土壌の状態を正確に把握した上で、栄養素の過不足を調整したり、土壌の物理性や化学性、生物性の改善作業を行う必要があります。その土づくりで大きな力を発揮するのが土壌改良資材ですが、その使用目的は、土壌の物理性改善、生物性改善、化学性改善の改善が主なもので、本稿では、現在土づくり肥料の特性や使い方を紹介してきましたが、今回のその他土づくり肥料として利用されている資材の紹介をもって、土づくり資材の紹介を終了します。
前回、3つ目までのダブリンを紹介しましたので、今回は4つ目のダブリン19号とダブリン10号を紹介します。
まず、ダブリン19号です。これは重過石、ようリン酸の混合物に硫酸を加えて反応させてつくります。く溶性のリン酸を35%、そのうち水溶性のリン酸を19%含むことからダブリン19号と呼ばれ、苦土(マグネシウム)は、く溶性のものを5%含みます。リン酸を速く効かせ、苦土はゆっくり効かせたい場合に使用します。
次に、ダブリン10号です。これは、ようりんにリン酸液を添加してつくります。く溶性のリン酸を35%、そのうち水溶性のリン酸を10%含むことからダブリン10号と呼ばれ、苦土(マグネシウム)は、く溶性のものを7%含みます。19号同様にリン酸を速く効かせ、苦土はゆっくり効かせたい場合に使用します。
ダブリンは、製品ごとにpHが異なります(ダブリン特17号:pH5~6、ダブリンネオ17号:pH5.5、ダブリン205号:pH6~6,5、ダブリン19号:pH5.3、ダブリン10号:pH表面4 内部8)ので、土壌診断結果のpH値、リン酸必要量、苦土必要量に合わせて適切な資材を選ぶようにします。
最後にハイフミン特号です。フモエキス、草質泥炭、木質泥炭を混合してつくられる腐植質有機物を約45%含む腐植資材です。腐植を補って地力を高める際に使用します。
次回より、みどり戦略対応等で、ますます重要性が増している土壌診断の基礎知識について紹介していきます。
◇ ◇
本コラムに関連して、ご質問や取り上げてほしいテーマなどがございましたら、コラム・シリーズ名を添えてお問い合わせフォーム(https://www.jacom.or.jp/contact/)よりご連絡ください。
重要な記事
最新の記事
-
【人事異動】荏原実業(3月27日付)2025年2月19日
-
地域農業維持 小さな農家支援や雇用が重要 食農審北陸ブロック 意見交換会2025年2月19日
-
農政変えるのは今 3・30トラクターデモを共に 令和の百姓一揆実行委・院内集会での現場報告から2025年2月19日
-
人がキツネになる前に 山形の米農家・菅野芳秀さん 「令和の百姓一揆」院内集会の発言から2025年2月19日
-
米の相対取引価格 過去最高を更新 60kg2万5927円 1月2025年2月19日
-
【地域を診る】地域の未来をつくる投資とは 公共性のチェック必要 京都橘大学教授 岡田知弘氏2025年2月19日
-
農林中金 奥理事長退任へ2025年2月19日
-
稲作農業が継続できる道【小松泰信・地方の眼力】2025年2月19日
-
荒茶の生産量 鹿児島がトップに 2024年産2025年2月19日
-
卓球アジアカップ出場の日本代表選手を「ニッポンの食」でサポート JA全農2025年2月19日
-
香港向け家きん由来製品 愛媛県、鹿児島、宮崎県からの輸出再開 農水省2025年2月19日
-
FC岐阜との協業でぎふの米の食育授業とサッカー教室 ぎふの米ブランド委員会(1)2025年2月19日
-
FC岐阜との協業でぎふの米の食育授業とサッカー教室 ぎふの米ブランド委員会(2)2025年2月19日
-
BASFとNEWGREEN 水稲栽培のカーボンファーミングプログラム共同プロジェクトで提携2025年2月19日
-
デジタル資産問題【消費者の目・花ちゃん】2025年2月19日
-
トラクタ体験乗車など「Farm Love with ファーマーズ&キッズフェスタ2025」に出展 井関農機2025年2月19日
-
野菜本来の味を生かした「国産野菜100%の野菜ジュース」3種を新発売 無印良品2025年2月19日
-
土壌データ見える化を手軽に「らくらく実りくんスマホ版」新発売 横山商会2025年2月19日
-
水田の中干し期間延長 J-クレジット創出方法を学ぶ勉強会開催 Green Carbon2025年2月19日
-
旬の味覚「長崎いちご」発信 特別展示「FOOD DESTINATION PORT」開催 長崎県2025年2月19日