JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(2)【今さら聞けない営農情報】第268回2024年10月5日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しています。まずは、農薬を正しく使うための第一歩である農薬の製剤に関する基礎知識をご紹介していきますのでよろしくお願いします。
農薬の製剤は、基本的に病害虫雑草に効果を示す"有効成分"とその有効成分が効果を発揮してかつ、作物に薬害を起こさない丁度いい濃度にするために副資材とで成り立っています。
この副資材とは、油や、クレイ土、水に溶ける物質などであり、有効成分の性質にあわせて相性のいい組み合わせを考えて選ばれています。
なぜこのような副資材が使われるのかというと、近代の農薬の有効成分は、極少量で病害虫雑草に効果を示すものが選抜されており、有効成分をムラなく農作物に付着させるためには、有効成分をある程度薄める必要があります。そのことを実現し、使用者が散布しやすくて、作物に付着しやすいように工夫されているのが農薬の製剤であり、有効成分の性状が固体であるのか液体なのか、あるいは水に溶けるのか溶けないのかといった特性に合わせて最適な製剤がつくられています。
現在は、用途んび合わせて、粒剤や粉剤、水和剤、フロアブル、乳剤、液剤、水溶剤など多数の剤型がありますが、これらの剤型を大きな分類で分けると、①水に希釈して散布するもの、②製剤をそのまま散布するもの、③煙化して施設内に充満させるもの、④ガス状の有効成分を直接施用するもの、⑤そのまま塗り付けるもの、⑥製剤そのものを食べさせるもの、⑦液体そのものを希釈せずに使用するもの、⑧肥料に農薬を混ぜたものなどに分類することができます。
これらの製剤は、含まれる有効成分量の量や使用する副資材の種類や量によって製品価格に差があり、下表の例(有効成分が同じ)であれば、製剤に含まれる有効成分量の多い水溶剤の価格が最も高く、ついで粒剤、粉剤DL剤の順に価格が安くなります。ただし、水に希釈して散布する「水溶剤」は、数千倍に希釈して散布するので、単位面積あたりに投下する製剤量は少なくなります。このため、同じ10aの薬価を比較すると水溶剤が最も安価で、次いで粉剤が安価になります。
剤型を選ぶ場合は、薬価を重要視して薬価が安い剤型を選ぶ場合もありますが、基本的には使用場面や効果の出方、所有する散布機具や散布労力・時間を考慮して決められています。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 茨城県2025年7月11日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 新潟県2025年7月11日
-
【注意報】果樹に大型カメムシ類 果実被害多発のおそれ 北海道2025年7月11日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 福島県2025年7月11日
-
【注意報】おうとう褐色せん孔病 県下全域で多発のおそれ 山形県2025年7月11日
-
【'25新組合長に聞く】JA加賀(石川) 道田肇氏(6/21就任) ふるさとの食と農を守る2025年7月11日
-
【'25新組合長に聞く】JA新みやぎ(宮城) 小野寺克己氏(6/27就任) 米価急落防ぐのは国の責任2025年7月11日
-
(443)矛盾撞着:ローカル食材のグローバル・ブランディング【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月11日
-
米で5年間の事前契約を導入したJA常総ひかり 令和7年産米の10%強、集荷も前年比10%増に JA全農が視察会2025年7月11日
-
旬の味求め メロン直売所大盛況 JA鶴岡2025年7月11日
-
腐植酸苦土肥料「アヅミン」、JAタウンで家庭菜園向け小袋サイズを販売開始 デンカ2025年7月11日
-
農業・漁業の人手不足解消へ 夏休み「一次産業 おてつたび特集」開始2025年7月11日
-
政府備蓄米 全国のホームセンター「ムサシ」「ビバホーム」で12日から販売開始2025年7月11日
-
新野菜ブランド「また明日も食べたくなる野菜」立ち上げ ハウス食品2025年7月11日
-
いなげや 仙台牛・仙台黒毛和牛取扱い25周年記念「食材王国みやぎ美味いものフェア」開催2025年7月11日
-
日本被団協ノーベル平和賞への軌跡 戦後80年を考えるイベント開催 パルシステム東京2025年7月11日
-
東洋ライス 2025年3月期決算 米販売部門が利益率ダウン 純利益は前年比121%2025年7月11日
-
鳥インフル 米バーモント州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年7月11日
-
鳥インフル ブラジルからの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年7月11日
-
全国トップクラスの新規就農者を輩出 熊本県立農業大学校でオープンキャンパス2025年7月11日