JAの活動:JAトップアンケート 今、農業協同組合がめさずこと
【JAトップアンケート】JA松本ハイランド 伊藤茂代表理事組合長 「組合員主体の仕組みづくり」2015年12月10日
今回は、JA松本ハイランドの伊藤茂代表理事組合長のご意見を掲載する。
JA松本ハイランド
伊藤茂代表理事組合長
回答日:2015.10.7
【問1】あなたの農協では、農業・地域に対し、どんな役割を果たそうと考えておられますか。今後もっとも重要な役割だとお考えの内容をお書きください。
当JAでは第4次長期構想におけるビジョン(めざす姿)は「食と農を育み、笑顔があふれる地域をみんなで実現する」ことです。
JAは「食と農」を基軸とした、地域にねざした協同組合です。安心して幸せにくらせる地域社会実現のため、JAの組合員・役職員が協働してそれぞれの役割を十分に発揮し、活き活きとした協同活動をすすめるとともに、笑顔があふれる元気な地域づくりをめざしています。
このことを達成するためにまず「農業面」として、当JAの特徴である農産物の総合供給産地の地域の特性を活かした地域別の農業ビジョンを策定し、農家へのきめ細やかな対応を通じて農家力を高め、販売力を強化するとともにコスト削減に向けた支援により、「夢と誇り」のもてる農業の実現により、元気な農村づくりをめざしています。
次に農業を支える「くらし面」として、家族や地域の人々の結びつきを高め、組合員・利用者の接点を大切にしてくらしに安心をお届けするべく、JAの事業の革新、サービス力と競争力アップで、組合員・利用者満足度の向上をめざしています。
そして、組合員・地域を支える「JA面」として、大切な組合員組織の活性化につとめるとともに、事業と経営の健全性を高め、地域内連携により協同組合活動を広げ、地域から信頼され、安心して利用いただけるJAをめざしています。
規制改革の名のもと、政府主導による「農協法改正、農協改革」が迫られていますが、JAは利用者である組合員の自主的な結集・運営に基づく民間組織です。利用者である組合員の意思による自己改革を基本に、自らの手で組織・事業改革を進めていくことが基本と考えます。JAの社会的役割として、農業者の所得増大、農業生産の拡大、地域の活性化は最大の使命と捉えています。当JAは、本年1月に独自に策定した「JA松本ハイランドの自己改革」における「農業づくり」に掲げた「多様なマーケティングによる販売改革」・「農業振興、担い手対策の強化」「生産資材の満足度向上」、「くらしづくり」に掲げた「安心して暮らせる地域社会への取組み」、「JAづくり」に掲げた「JA基盤の強化」の実現を向けて全力で取り組んでいきます。
【問2】問1の役割を果たすうえで、今、農業・地域での最大の課題は何ですか。
農業従事者の高齢化、後継者不足、農畜産物の価格低迷、農家所得向上対策、販売方式の多様化等、国内の農業を取り巻く情勢は厳しいですが、それは当JAも同じです。
JA松本ハイランドの組合員数は、平成22年度に3万人を超えましたが、70歳以上の割合は45%を占めています。組合員や利用者に満足されるサービスを継続的に実施していくためにも、人口減少や組合員の高齢化等、環境の変化への対応が求められています。
このように組合員の高齢化に伴う世代交代や離農の進行が進む中で、協同意識が薄れつつあり、JA事業・活動への結集力が弱体化してきています。「足腰の強いJA」をつくるためには、組合員の意思に基づいて、組合員自らが行動することが必要です。組合員が主体性を持つための仕組みづくりが重要と考えます。
【問3】問2の課題を解決するため、もっとも力を入れようと考えておられることは何ですか。
「足腰の強いJA」をつくるためには、組合員の意思に基づいて、組合員自らが行動することが必要です。組合員が主体性を持つための仕組みづくりが重要と考えます。そのために、支所運営委員会と支所運営懇談会の機能を再構築し、組合員の声を組織活動や事業運営にしっかりと反映させていく考えです。
また、食農教育等により、「食と農の大切さ」についての情報発信を強化し、組合員・地域住民に対して JAの役割および存在意義を理解してもらい、"あって良かったJA""無くては困るJA"、地域から真に必要とされるJAづくりを目指します。
当JAでは支所協同活動の活性化対策として、一支所一協同活動、モデル農家組合活動の取り組みを行っていますが、単なるイベントだけで終わらない活動内容の充実が必要と感じています。
【問4】問3に関連して、第27回JA全国大会議案では「9つの重点実施分野」を掲げています。このうち課題を解決し、貴JAがめざす姿を実現するために、もっとも重要と考えておられる事項を3つあげてください。また、その分野において、どんな取り組みを考えておられるのか、具体的内容をお書きください。
b=マーケットインに基づく生産・販売事業方式への転換
(具体的取組内容)
直接販売の拡大
[1]地元企業との業務提携による売場の拡大と消費者動向を知る
[2]アンテナショップの拡大
c=付加価値の増大と新たな需要開拓への挑戦
(具体的取組内容)
農畜産物の付加価値を創造する新しいビジネスモデルの構築
[1]6次産業化(地元企業との連携や農産物加工施設やJA間連携での商品開発)
[2]農畜産物の輸出の拡大
i=准組合員の「農」に基づくメンバーシップの強化
(具体的取組内容)
[1]複数組合員化等による組合員加入の促進
[2]組合員の声をJAへつなげる准組合員の活動への参加促進も視野に入れた元気な農家組合づくり
[3]地域からの農業支援
[4]将来への食と農の大切さを伝える活動
【問5】第27回JA全国大会を機に、JAトップとして内外に発信したいお考えをお書きください。
農業については、我が国の農業のあるべき姿を共有し、その実現に向けて連携していくことが何よりも重要であると考えます。一体感のある取り組みこそが、日本農業の未来であるといっても過言ではありません。そのために、今こそ皆で思いを共有し全国域での協働が必要ではないでしょうか。
組合員が"農業をしていて良かった"と、農業を誇りに思える国にしなければなりません。政府が掲げる地方創生にJAは大きく貢献できる組織であることは間違いありません。地域の活性化は、"地域と人"を良く知っているJAの出番であり、役割です。
農業協同組合のあり方を決めるのは組合員自身であります。今後も地域社会に向けて「社会的共通資本としての農の営み」を強く訴え「1人は万人のために、万人は一人のために」という協同組合運動の根幹をなす精神を忘れずに真に豊かな農業・農村の実現に向けての組合員一人ひとりの協同活動への参加・参画が重要であると考えます。
農業従事者の高齢化が叫ばれていますが、その一方で当JAにも新規就農者が毎年いることも事実です。農業は人間生活の根幹をなす産業でありそこに魅力を感じている若者に期待をしたいと思います。その魅力を情報発信していくこともJAの重要な役割であると考えます。
農産物は我が国の豊かな自然の恵みがあって生まれるものです。新時代に向けて大きく飛躍していくためには組合員一人ひとりの夢をかなえられるJAに皆で成長していくことが大切だと思います。
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