JAの活動:農協改革を乗り越えて -農業協同組合に生きる 明日への挑戦―
積極的に組合員の意思反映・前半【JAあいち知多(愛知県)】2017年11月10日
愛知県知多半島を事業エリアとするJAあいち知多。「農とくらしの未来をつくる」をテーマに進化するJAをめざす。前田隆代表理事組合長は「みんなのためにみんなが出資した協同組合」と地域に根ざしたJAづくりを進めている。
◆准組合員もJA理事
JAあいち知多は平成12年、知多半島全域をエリアとする広域合併で誕生した。地域内には5市5町があり人口は63万人。人口減少に悩む地方が多いなか、名古屋市にも近く、温暖な気候で自然環境にも恵まれた知多半島の人口はわずかだが増えているという。
地域の農家戸数は7000戸。米のほか、野菜、果樹、花、畜産・酪農など、農家それぞれが地域特性に合わせた農業を営んでいる。組合員数は約7万5000人。合併時にくらべて2万7000人組合員が増え、地域住民の1割超がJAの組合員となっている。
(写真)前田隆代表理事組合長
「農業を基軸とした協同活動を通じて、地域の人々とともに心豊かで健康な暮らしと地域社会づくりに貢献します」。
これがJAが掲げる基本理念である。
JAはこの基本理念を実現するための普遍的な方向性と役職員が共有すべき価値観、行動原則を明文化した。これらを同JAの愛称である「アグリス」の歩む道=「アグリスウエイ」として定め全役職員が共有、日々確認しているという。たとえば、「協同活動のよろこびをみんなで。」、「一緒に知多半島を元気に。」などをビジョンとして示し、行動原則として「職員である前に地域住民であろう」、「広い視野でいつも周囲に気を配ろう」、「"できたらいいな"にチャレンジしよう」などを明文化している。
基本理念の実現に向けJA役職員はこのアグリスウエイを愚直に実践することを原則に、具体的な事業については組合員の意思を徹底的に反映させる仕組みを合併時に工夫し導入した。
それは先駆的な取り組みといえる。政府による農協改革では准組合員の利用規制が問題とされたが、同JAでは平成12年のJA合併時に准組合員を理事の一員とすることを決めたほか、支店レベルでの委員会にも准組合員が参加し意見を述べることができる仕組みもつくった。
◆地域住民とスクラム
同JAには現在57本支店あるが、本支店単位で「地区運営委員会」を設置している。この委員会の構成メンバーは集落組織や作目別組織、青壮年組織などの代表のほか、総代、女性部代表とともに、准組合員代表も加わっている。地区運営委員会はJAの事業について要望等を聞く場でもあるが、支店それぞれが独自色を出して地域住民を広く結集させている支店まつりや食育活動など、協同活動を考える場でもある。
各地区運営委員会の意思を反映させる場が、地域別の10事業部ごとに設置されている「地域運営委員会」である。地域選出理事や地区運営委員会を代表する地区本部長、地域農業者や女性部の代表などとともに、准組合員の代表もメンバーとなっている。そして地域運営委員会の意思を反映する機関として理事会を位置づけている。
これが組合員の意思反映の太い幹だが、これだけではない。集落の農事実行組合や・・・
※続きは、積極的に組合員の意思反映・後半【JAあいち知多(愛知県)】でお読み下さい。
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