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JAの活動:2021持続可能な社会を目指して 今こそ我らJAの出番

【特集:今こそ我らJAの出番】座談会:「輝く小さな町」世界ランク第3位の「糸島市」 元気な地域農業をめざして 福岡県の取り組み(4)2021年1月4日

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福岡県糸島市は人口約10万人の街で、豊かな自然が生み出す美しい景観や、山と海の幸を生かした逸品がSNSなどを通じて評判となり、観光地として人気を博している。また、JRや高速道路を利用することで福岡市中心部の天神や博多まで40分程度と交通利便性も高いことから、近年は交流人口にとどまらず、定住人口も増加している。ところで、英国を拠点にした世界的な情報誌『MONOCLE(モノクル)』が、人口25万人未満の街を対象とする『輝く小さな街』2021年ランキングで、この糸島市を世界第3位に選んだ。このようななかで地域をけん引するJA糸島の山崎重俊組合長と糸島稲作経営研究会の井田磯和会長に地域の在り方を聞いた。(文・高武孝充)

山崎重俊 JA糸島代表理事組合長
井田磯和 糸島稲作経営研究会会長

聞き手:高武孝充・元JA福岡中央会営農部長

――まず山崎組合長にお聞きします。

山崎重利代表理事組合長山崎重俊
JA糸島代表理事組合長

山崎 糸島市の評価については、「糸島ブランドの豚肉、牛肉、農産物で知られ、玄界灘に面し、おいしく安価な海産物もある。酒屋や製塩所などもあり、何でもそろい、若い農業者や小規模事業者が活躍し、生活の質も高い」と紹介されています。うれしいですね。第1次産業を糸島の誇るべき資源として、新鮮で安全な食材を提供することが私たちの責務です。多くの先輩たちが営々と築いてこられた結果です。

糸島食材の開発や提供は行政をはじめ、「糸島市食品産業クラスター協議会」で実施しています。JA糸島には、1962年に広域合併して以来60年近くの歴史がありますが、2018年度には、販売品販売高108億円の最高額を達成しました。

私たちの「まるいとブランド」へのこだわりは頑固といってもいいでしょう。「地産地消」の実践として2007年4月に開設した直売所「伊都(いと)菜(さい)彩(さい)」の売上金額は40億円と全国トップです。高齢者には配達もしています。学校給食への食材提供はもちろんのこと、福岡大学病院の「糸島食事」も好評です。さらに、糸島漁協や市内の食品総合商社などとコラボして開発した糸島産ラー麦麺の「鯛だしまるいとちゃんぽん」は、日本農業新聞主催「一村逸品大賞」の「大賞」に輝きました。

米づくりに生涯かける

井田磯和糸島稲作経営研究会会長井田磯和糸島稲作経営研究会会長

――「糸島稲作経営研究会」(以下「稲研」)の井田会長にお聞きします。稲研のみなさんは、米づくりに生涯をかけていますね。

井田 この座談会に私が参加を求められたのは、全国の稲研で事務局が農協にあるというのはこの糸島だけだからでしょう。稲研は1985年に親父(おやじ)の世代が糸島市内の稲作専業農家と47人で立ち上げた組織です。会員数47人が減っていないのは、後継者が育ち、私の家のように3世代会員もあるからです。会員の平均年齢は年々若返っています。これは私たちの誇りです。

「坪刈り」など、稲作技術向上のための研修会は欠かせません。最近では、人工衛星利用のGPSよりもずっと正確なほ場管理やトラクターの自動運転を可能にするRTK(高精度位置情報システム)基地局の設置を農協がやってくれるので、私たちは先頭に立ってその活用をしようと考えています。

山崎 糸島の耕地面積は4240ヘクタール、水田面積は3490ヘクタールです。そのうち水稲の作付面積が,990ヘクタールですから、水田の57%です。これが半分以下になれば確実に耕作放棄が進みます。それでは、「山紫水明の地・糸島」のイメージが壊れてしまいます。糸島の水田の4分の1を担っている稲研のみなさんには、これまで以上にがんばってもらわなければなりません。

主食用米の下支え必要

――少し角度を変えて井田会長にお聞きします。昨年の6月末は主食用米の民間在庫が220万トン、国の備蓄在庫が92万トンという状況のもとで、農林水産委員会では、国に対して主食用米の買い上げが提案されました。ところが、野上農相は「価格の下支えを目的に買い上げるのは制度の趣旨にそぐわない」と否定しました。この発言をどう受け止めますか。

井田 野上農相は富山県という稲作大県の出身でありながら、こうした発言は納得できません。新型コロナ禍は予期せぬ災害であって「制度の趣旨にそぐわない」とか言っている場合ではありません。

国の備蓄として少なくとも60万トンは買い上げて、主食用米の需給を安定化させる対策をとるべきです。主食用米の価格低下は、稲作農家の生産意欲を確実に削いで、耕作放棄につながります。主食用米から飼料用米に転換せよというのなら、主食用米との比較で収入格差が大きい飼料用米についての交付金を、現在の「5万5000円~10万5000円」から2万円程度引き上げて、「7万55000円~12万5000円」にしてほしいものです。

――2020年産米は作況指数が全国で99、福岡県では何と80にまで落ちています。ところが新型コロナ禍の影響による米需要の落ち込みがひどく、主食用米過剰と価格低下という大変な状況になりました。
山崎組合長にお聞きします。東北地方では60キロあたり概算金が900円~1000円下がっていますが、JA糸島では昨年並みの概算金にすると決断されました。その理由をお聞かせください。

山崎 2020年産米の販売価格は低いと予測はしていました。だからといって、生産者の立場からすれば、概算金を安易に下げてもらっては困るということでしょう。全農ふくれんからは、概算金引き下げの打診もありましたが、一昨年並みの概算金で合意できました。幸いにも糸島産米は評価をいただいており、「糸島産だから買う」という業者もあるのが頼りです。もう一度、販売力の強化を図ることで乗り切りたいと考えています。

私は、主食用米の需要が減少する状況下では、飼料用米など主食用米以外への交付金の増額などで稲作の維持が重要だと考えます。

世界で10億1000万人の飢餓人口の中で、東南アジアがそのうちの50%強の5億3000万人を占めているというではありませんか。RCEPに合意・署名したわが国政府には、国際的視点で飢餓の解消に向かって貢献してほしいものです。それこそが、国連が世界の国々に提案している持続可能な開発目標(SDGs)の「貧困」の解消にも貢献すると思います。

井田 私たち生産者にとって大変有り難い話です。昔から「おらが農協」と言われてきただけのことはあります。

――1947(昭和22)年12月に農協法が施行されましたが、翌年2月に、全国のトップを切って認可されたのが「福吉村農協」でした。現在のJA糸島福吉支店です。山崎組合長の「多くの先輩たちが営々と築いてこられた結果」をしっかり継承したいという思いと、「おらが農協」とともに糸島水田農業を守るという井田会長の心意気を聞くことができました。ありがとうございました。

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