JAの活動:令和6年度JA共済優績組合表彰特集
【令和6年度JA共済大賞 3JAの取り組み】対話で最適な安心提案 JAふくしま未来2025年5月16日
JA共済連は令和6年度に契約実績や普及活動などで優れた成績を挙げた「令和6年度JA共済優績組合」を決定した。JA共済大賞をはじめとした会長表彰に延べ286JA(実表彰組合179JA)、特別賞に延べ38JA(実表彰組合36JA)が選ばれた。最優秀賞に当たるJA共済大賞には福島県のJAふくしま未来、愛知県のJAあいち知多、兵庫県のJA兵庫六甲が輝いた。大賞3JAの取り組みを紹介する。
JAふくしま未来本店
福島県のJAふくしま未来は各事業、地区、事業所の垣根を越えた連携で人材を最大限に生かして組合員・利用者の期待に応えています。営農経済や金融、地域貢献活動の各事業と連動した共済事業は、多様化する組合員・利用者一人一人に合った安心を届けることで4年ぶり3回目の大賞を受賞しました。2024年度はJA全中主催の「JA広報大賞」にも選ばれ、2冠を達成。数又清市組合長は「25年度は同JA誕生から10周年。いい報告ができる。事業、事務所、職員の横串を刺した連携でこれからも地域の期待に応える」と次の10年を見据えます。
人材フル活用で、ニーズ掘り起こし
左から、数又清市組合長、濱田賢次専務、佐藤博元常務、髙野洋共済部長
「組合員・利用者のニーズはそれぞれ違います。ご本人さえ何が必要か分かっていないケースも多い」と話すLA。ニーズをつかむため対面での会話を重視しています。長期契約の契約者も「家族が年齢を重ねれば同じ保障でいいとは限りません」と、常に最適な安心を届けるよう心掛けています。
訪問は、共済事業で窓口担当のスマイルサポーター(SS)と連携します。SSは自動車共済の継続や切り替えなどを担当しますが、支店のSSリーダーは「世間話で情報を集めています」と言います。会話の共有だけでなく、訪問の約束も取り付け、LAによるタイムリーで訪問先に合った提案につなげています。
福島地区では3人のLAトレーナーが44人のLAの活動を支えています。LAトレーナーは「注意してみているのは中間層。上位にも上がれるが低迷してしまう可能性もある」と指摘します。LAごとに指導やアドバイス内容を変えているLAトレーナーは「頑張っている姿も評価し、言葉で伝える」を心掛けています。共済部の髙野洋部長も「成績は大事だが、その活動が5年後に結び付くこともある」と過程を大事にすることで、LAのモチベーションを高めています。
食と農のユートピア創造へ
4月に改訂されたがん共済の推進方法について話し合うLAトレーナー㊨とLA
濱田賢次専務は「JAはブランド。ブランドは期待そのもの。JAに行けば、相談すれば何かやってくれるという期待を裏切らない」と言います。24年度は、農家に最も近い営農指導員と融資担当が一緒に訪問することで共済など必要な情報を届ける体制を整え、着実に農業融資を増やしました。
東日本大震災で経営再建の難しさを経験しています。金融共済を担当する佐藤博元常務は「被災時に必要なのは資金。JAは営農指導とセットで資金の相談もできる。そして共済はもしもの時に役立つ。どれか一つ欠けても再建は難しい。総合事業の強みを生かす活動こそが地域の安心につながる」と話します。
JA農畜産物販売額が24年度は333億7494万円と、目標を大きく上回りました。ただ好調な価格に支えられた一面もあり、数又組合長は「生産コストの上昇分は転嫁できていない」と、課題は山積ですが「JAは農業が基本」は同JAの共通認識です。25年度に始まった第4期みらいろプランの中長期ビジョンで「食と農のユートピア創造」を掲げました。スローガンは"地域と共に一歩先へ"。将来の農業経営者を育てることがJAの使命として、「ユートピアは創造することだ。どんな時代でも挑戦」と、地域に寄り添い、将来に備えた活動を続けます。
【共済事業の実績】(令和7年2月末時点)
▽長期契約保有契約高 2兆3681億円
▽自動車共済新契約 9万7480件
▽年金共済(年金年額) 8億2878万円
▽長期共済新契約 1295億円
内訳
・生命共済 455億円
・建物更生共済 840億円
【JAの概況】
平成28(2016)年に4JA(新ふくしま、伊達みらい、みちのく安達、そうま)が合併して誕生。
▽組合員数 9万2882人(正組合員数 4万5766人)※
▽共済担当者 354人
(全職員数1456人)※
▽販売品取扱高 333.7億円※
▽主な農産物 米、桃、梨、あんぽ柿、キュウリ、花き、畜産
※令和7年2月末時点。同JAの事業年度は2024年3月~2025年2月末
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