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【2025年センサス問題】集落の実態把握 農政に不可欠 明治大学 橋口卓也教授に聞く2023年4月10日

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2025年農林業センサスの実施内容を検討するため農水省は昨年7月に農林業センサス研究会を開き、その第1回会合で農業集落調査を廃止するという方針を示した。この方針については多くの関係学会からも反対の声が出るなど、大きな議論になった。2月の会合で一定の結論は出て、今後は総務省の統計委員会で検討されるが、今回の議論の経過と問題点などを研究会委員を務めた橋口卓也明大教授に改めて聞いた。

明治大学農学部 橋口卓也教授

問題続出の代替案

――議論の経過を整理していただけますか。

最終的に当初の農業集落調査を廃止するという方針を農水省は撤回し、調査は継続するということになりました。

ただし、従来と同じやり方ではできないとして最初に出された代替案は、農林業経営体調査のなかで経営体に対して、集落活動にどう参加したかを聞くというものでした。しかし、それでは集落全体の取り組みを反映したものではなく、これまでの農業集落調査とは全然違うものです。

集落の活動状況を客観的に聞くのではなく、経営体がどのように集落活動に関わったかを聞くものであり、それまでの調査との継続性がまったくないということになります。

研究会ではそうした批判が出て、次には集落活動の状況について、集落の経営体全員に聞くという案が示されました。しかし、今度は回答にばらつきが出た場合はどう整理するのかという問題が指摘され、最終的には対象を一人に絞り、その人に集落活動について客観的に聞くという案が出てきました。ただし、この調査は郵送調査だけで行うということでしたから、本当に回収できるのかということが最後まで問題になりました。

全数調査から後退

――研究会の議論のなかでどのような問題を感じましたか。

確かに当初の廃止方針は撤回しましたが、本当に農村の状況を集落単位で把握するということの深い理解と認識、とくに政策との関与との観点で考えられているのかと疑問に思います。

とくに最初に代替案として示された農林業経営体に調査するという案では、2020年センサス時で14%ある経営体のいない集落は調査しないということでした。これまでの全数調査からの後退です。
しかし、農業経営体がいない集落でも現に農業は営まれており、他の集落とのつながりや、あるいは入作というかたちで農地が維持されて農村生活が展開しているという集落があります。それを最初から捨象してしまうような案が出てきたわけですから、本当に今の農村の状況をきちんと把握しようとする意識自身が非常に弱くなっているのではと感じました。

農業集落調査では農業生産だけでなく、祭りなどイベントや福祉、自然環境の保全など生活にかかわる集落活動の状況も聞くものです。そもそも基本法で農村政策の中身として「生活環境の整備その他の福祉の向上」を謳っているわけですから、少なくとも農水省が自らが農業集落として位置づけているところの人々の生活がどうなっているかを把握するのは当たり前ではないかと思います。
また、多面的機能支払いは、集落の非農家も含めて農村の資源を守ろうという趣旨で、交付金支払いの対象組織には農業者以外の住民が参加していることが求められています。それを考えると仮に上流部で農地がゼロになっても水路やため池などは下流部に水資源を供給するために必要ですから、なお農村の資源の管理状況がどうなっているかをやはり把握する必要があると思います。

非農家も含めて農村の資源を守ろうという政策がある一方で、上流部で地域資源がなくなれば下流部へドミノのようにマイナスの影響が及んでいくという想像が働いていないという面もある。あたかも農業経営体と定義される人がいなければ、そこは政策の対象外だといわんばかりの考えが最初は示されたと思います。その後、経営体がいない集落は、自給的農家や土地持ち非農家などを調査対象とすることになりましたが。

集落は日本農業の土台

――改めて農業集落調査を始め統計調査の意義をどう考えるべきでしょうか。

日本の農業構造はやはり集落を基礎にした資源の管理をするような主体がかなり大量にあって、非農家も含めていろいろな資源管理に関わっています。その上に農業経営体が乗っているような状況で、この土台がなくなると経営体も農業を展開する余地がなくなります。とくに土地利用型農業はそうです。

その意味ではこのベースの部分を調査するのが農業集落調査であり、ベースの上に乗っている経営体を調査するのが農林業経営体調査だということになります。この2本柱によって初めて日本農業の全体を農林業センサスが把握してきました。

しかし、この土台の部分の調査をなくすということは本当に日本農業を正しく把握しているのかということになりかねません。

2025年センサスでは農林業経営体は80万程度になってしまう可能性もなきにしもあらずだと思います。一方で14万の農業集落には相当の数の非農家が生活しているということになり、さまざまな人で資源管理がなされているということになりますから、農業集落調査は相対的な重要性が増すと言えるかも知れません。

いずれにしても2本柱が大事であり将来の政策を決めるうえでも重要だということです。

――今後はどんなことが求められますか。

全数調査でなくなるなど消極的ではあるけれども前回と同じ調査を行うということは決まりました。今後は総務省の統計委員会でも検討されます。調査は集落活動の状況について1人から聞き、郵送調査ですが、回収できないところは民間委託ではあるものの現地に赴いて回収するということも約束されました。誠実に着実に調査が実行をされることを望みたいと思います。

ただし、一度でも農水省が集落調査の廃止提案をした事実は重大だと思います。食料・農業・農村基本法の見直し議論でも、集落機能の実態認識が重要なポイントとなっています。それを調べる重要統計の廃止が、なぜ、いとも簡単に提起されたのか、きちんとしたトレースが必要ではないでしょうか。それがないと事態は繰り返されてしまうかもしれません。農水省自身での検証が待たれます。

【あわせて読みたい記事】

【2025農林業センサス】集落調査の修正案公表 自治会長を対象に 農水省(23.2.14)

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