農林水産省所管独法 研究のための取得物品紛失など 手続きでも不手際2015年10月9日
会計検査院
会計検査院は10月8日、農林水産大臣に対し、農林水産省が委託したプロジェクト研究に使用する物品に関して、委託契約書に反する継続使用や紛失、遊休があったとして、改善の処置を要求した。
◆手続き踏まず 研究用取得物品継続使用 767個(取得価格7億4510万余円)
同院は、平成21年度から25年度の期間に研究が終了した委託事業を対象に、農水省のプロジェクト委託先である5独立行政法人(農業・食品産業技術総合研究機構/農研機構、農業生物資源研究所、農業環境技術研究所、国際農林水産業研究センター、森林総合研究所)と事務局の会計実地検査を行った。
同期間の間、委託事業のために取得した物品は計4219個で、取得価格は53億4859万余円だった。
委託事業終了後に事務局へ引き渡しの手続きを行ったのは4219個のうち、1個。また処分された物品は65個だった。
残りの4153個のうち3386個は継続使用の許可を得て使っていたが、▽手続きをしないまま受託者が使用を続けていた物品が767個(取得価格7億4510万余円)、▽継続使用していた4153個のうち、管理が適切でなかった物品が261個(同2億2067万余円)あることが分かった。
◆研究方法変更などによる機材の遊休。報告怠りが原因か
継続使用していた4153個のうち、事務局に無断で処分された物品が29個(取得価格1548万余円)、遊休していた物品が232個(取得価格2億3519万余円)あった。
無断で処分したと判断されたケースとして、平成23年度「重要政策課題への機動的対応の推進及び総合科学技術会議における政策立案のための調査」を委託された農業環境技術研究所がある。
同研究所は研究のための機材を4台(単価51万余円)購入。委託事業終了後も引き続き使用する手続きを行い承諾も得ていたが、機材4台のうち1台の所在が確認できない状態となっていた。事務局は事態を把握しておらず、残存価格を同研究所から納付させるなどの対処も行っていなかった。
遊休していたケースでは、平成19年度から24年度の「アグリ・ゲノム研究の総合的な推進」プロジェクトが委託された国際農林水産業研究センターがある。研究のために洗浄機1台(取得価格299万余円)を購入。事業終了後も継続使用の許可を得ていたが、研究所内で研究方法が変更となり同機材で洗浄を行う必要がなくなったため、購入された洗浄機は使わわれないままになっていた。事務局は事態を把握しておらず、洗浄機の引き渡しを受けて有効活用を図るなどを行っていなかった。
◆物品に関する契約は、事業終了後に報告が厳守
なぜこのようなことがおこったのか。
同院は「継続使用の手続きの必要性の理解が十分でない」「報告することが周知徹底できていない」「使用状況が把握されていない」などが原因で起こったとして、改善を農林水産大臣に要求した。
もともと、研究のために取得した物品に関しては、委託事業期間は受託先に帰属、終了後は原則、物品の所有権を国に移転することとされている。
ただし、委託事業終了後、物品に残存価値がない、または低いと判断された場合や引き渡し費用をかけてまで引き渡しを行う必要がないと判断された場合は、受託者の報告をもって引き渡しがないものとされる。
取得物品の継続使用を受託者が同種の研究を行うために希望する際は、委託事業終了後、事務局に報告書を提出し、承諾を得る必要がある。
◆ルールの周知徹底と報告を密に!
農水省は同院の要求を受け、「当省の研究委託事業の受託者である研究機関、同省所管独法が試験機器等の取得物品の一部について、是正改善の指摘を受けたことは誠に遺憾である。農林水産省としては、今回の指摘を真摯に受け止め、受託者により研究委託事業で取得した物品の適切な管理が行われるよう必要な措置を講じてまいりたい」とした。
今後の具体的対策として、受託者等に対してルールを周知徹底するとともに、継続使用承認時に定期的に使用現況を報告、確認できるようにすると話した。また無断処分された物品について、残存価格を納付させることを検討しているとし、遊休機材に関しては有効活用ができるよう図っていくと答えた。
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