水稲の種子消毒、イチゴのハダニ防除を2019年2月15日
・病害虫発生予報第10号
農林水産省は2月13日、「平成30年度病害虫発生予報第10号」を発表した。
それによると、向こう1か月の主な作物の発生予察情報(発生予報)は次の通り。
【水稲】
昨年、いもち病、もみ枯細菌病、ばか苗病などの種子伝染性病害の発生が多かった地域は種子消毒を的確に実施し、健全な種子を使用した育苗に努めること。特にいもち病は、一部の薬剤において感受性の低下が見られるため、都道府県から発表される発生予察情報などを参考に効果の高い薬剤を選定し、種子消毒を実施すること。
縞葉枯病は、ヒメトビウンカによって媒介されるウイルス病で、経卵伝染により次世代にも媒介が継続されるため、当該虫を対象に防除を実施することが重要。近年、発生量が増加傾向にある地域は、冬期間中にイネ科雑草の除去と再生株(ひこばえ)のすき込みを行い、越冬量の抑制に努めること。また、育苗箱施用剤による防除の実施についても検討が必要だ。
【野菜・花き】
野菜・花きで各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域注)表中の地域については、必ずしもその全域で発生が見られるものではない
(上の表をクリックすると大きな表が開きます)
【イチゴ】
ハダニ類の発生が、四国と北九州の一部の地域で多くなると予想されている。当該虫は発生密度が高くなってからでは防除が困難になるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施すること。なお、薬剤抵抗性が発達しやすいため、都道府県の発表する発生予察情報などを参考に同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定すること。
【キュウリ】
コナジラミ類の発生が、北関東や四国の一部の地域で多くなると予想されている。作物を加害するほか、多くの病原ウイルス病を媒介する。発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施すること。また農薬散布のみならず、天敵による生物的防除等の各種防除手段を組み合わせた防除の実施についても検討を。
うどんこ病の発生が、四国と北九州の一部の地域で多くなると予想されている。この病害は主に葉に発生し、多発すると葉が枯れることで減収につながるため、発生初期から防除が必要。また、伝染源となるり病部は早期に除去するとともに、一部の薬剤において感受性の低下が見られるので、都道府県の発表する発生予察情報などを参考に同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定すること。
【レタス】
灰色かび病の発生が、四国や北九州の一部の地域で多くなると予想されている。同病は、気温20度前後で発生が拡大しやすく、多湿条件下で発病が助長される。ハウス栽培やトンネル栽培では、換気などにより施設内の湿度低下に努めること。
【トマト】
葉かび病の発生が、四国や北九州の一部の地域で多くなると予想されている。同病は、施設内が過湿条件になると発生が助長される。換気や作物の株間の風通しを良くするなどの管理を徹底するとともに、伝染源となるり病部の除去を実施すること。
【果樹共通】
翌春の病害虫防除を効率的・効果的に実施するため、病害虫の越冬量を低下させ、翌春の発生を抑制することが重要。病害対策として、被害落葉やり病部の除去を実施すること。また虫害対策として、昨年ハダニ類やカイガラムシ類の発生が多かった園地では、粗皮削りやマシン油散布による防除をすること。
【リンゴ】
昨年、黒星病が発生していない地域において、一部の薬剤に対する同病の耐性菌が購入苗木に発生する事例があった。苗木を購入する際には注意が必要。当該地域において、購入苗木に本病の発生を確認した場合は、都道府県病害虫防除所に速やかに相談すること。
都道府県が発表した注意報の内容は次の通り。
(上の表をクリックすると大きな表が開きます)
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・【水稲育苗期と初期防除のポイント】健苗育成を心掛け、初期防除の徹底を(18.03.09)
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