緊急研究機関に農研機構など決定 スクミリンゴガイの被害撲滅へ 農水省2020年8月27日
農林水産省は8月25日、緊急的に求めていたスクミリンゴガイの被害撲滅に関する研究対象に、農研機構などの応募を採択したと発表した。

採択された研究課題名は「スクミリンゴガイの被害撲滅に向けた防除技術の開発のための緊急研究」で、農研機構や奈良女子大学、佐世保工業高等専門学校が研究実施機関。
2019年の神奈川県をはじめ、これまで発生していなかった地域や被害が抑制されていた地域で水稲を食害する「スクミリンゴガイ」による被害の発生が報告されたのを受け、農林水産省が7月29日から8月12日まで公募していた令和2年度イノベーション創出強化研究推進事業の「緊急対応課題」の採択結果が8月25日に発表されたもの。
スクミリンゴガイは、通称「ジャンボタニシ」とも呼ばれ、環境省と農水省が定める「生態系被害防止外来種リスト」や国際自然保護連合(IUCN)の「世界の侵略的外来種ワースト100」、日本生態学会の「日本の侵略的外来種ワースト100」などで定められているかなり危険な外来種。南アメリカ原産で、成長すると5~8cm程度の大きさになり、水路の側壁や水上の植物に産卵し、ピンク色をした1つの卵塊に200~300の卵が入っている。
主に稲など水田作物を食害し、田植えの直後から2~3週間後までの柔らかい稲の苗が食害されやすく、場合によってほとんどの稲がなくなってしまうこともあるという。
2019年には従来みられなかった小田原市の一部でも目撃、食害が確認され、被害拡大が警戒されていた。
同年9月、神奈川県農業技術センターは、「一度発生した地域では継続的に対策を講じないと、どんどん増殖し被害が拡大する」と警鐘を鳴らし、「用排水路で増やさない、水田に入れない、出さない」ことが被害を広げない対策だと、生産者に対応を求めるなどしていた。
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