アルゼンチン 小麦、トウモロコシに輸出上限設定 ラニーニャ影響2022年2月8日
昨年10月以降、ラニーニャ現象が発生し、ブラジル南部からアルゼンチンにかけて乾燥傾向となっており、アルゼンチンは国内向け穀物確保のため小麦とトウモロコシに輸出上限数量を設定した。農林水産省は食料安全保障月報(1月)で注目情報として動向をまとめている。
ラニーニャ現象の発生しても、ブラジルの中西部は降雨に恵まれているという。大豆最大の生産州の中西部、北東部は降雨過多で病害の懸念はあるものの、おおむねに順調に成長している。
一方、南部は昨年11月から12月の降水量が平年の半分で、パラナ州の12月降水量は歴史的低水準で大豆ととうもろこしの作柄に影響があると見られている。
ただ、ブラジル食料供給公社によると、穀物と油糧種子の生産量(2021/22年度)は対前年比12.5%増の2億8440万tとなる見込みで、南部の乾燥で大豆は230万t下方修正されたものの、最大生産州のマット・グロッソ州で増産となることから、前年を2.3%上回る1億4050万tなる見通しだという。
トウモロコシも南部の夏トウモロコシが下方修正されたものの、冬とうもろこしと合わせて、干ばつや霜害で減産となった前年度を29.7%上回る1億1290万となる見通しで、現時点では史上最高の生産量となる見込みだという。
アルゼンチンはラニーニャ現象による水分不足から1月以降、大豆、トウモロコシの作付けは遅れており、トウモロコシは例年の87%だという。
アルゼンチンでは穀物や油糧種子、牛肉などの輸出で財政赤字補填のため輸出税がかけられており、1月現在、大豆は最大33%、小麦とトウモロコシは12%がかけられている。また、最近の食品価格の高騰に対して国内向けの穀物を確保するため、政府は2021年12月17日付けで、2021/22年度産のとうもろこし4160万t、小麦1250万tの輸出上限数量を設定することを公表した。
アルゼンチンでは大豆に33%の輸出税が高いため、大豆の生産量は伸び悩み、輸出税の低いトウモロコシと小麦の生産量が伸びている。そのなかで今回は輸出数量上限が設定されたが、米国農務省によれば前年のアルゼンチンの輸出量はトウモロコシ3950万t、小麦1150万tで制限数量には届いておらず、国際穀物需給には大きな影響はないとみられている。
ただ、今後の南米の生産量や輸出量の動向を注視する必要がある。
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