「国民の食の確保は大事な務め」「努力した人が報われる農政を」 金子農相が退任会見2022年8月10日
第2次岸田改造内閣の発足に伴い、金子原二郎農相が8月10日、退任の記者会見を行った。金子農相は今後の農林水産行政の課題について、食料安保への対策などを挙げて、「国民の食を確保するのは大事な務めであり、限られた予算の中でバランスの取れた農政を進めることが必要だ」と述べたうえで、「一番大事なのは農業や水産業を営む方がそれで食べていけること。努力した人が報われる政策にしないといけない」と強調した。

金子農相は長崎県出身。衆議院議員(当選5回)や長崎県知事(3期)を経て、2010年から2期にわたって参議院議員を努め、昨年10月の岸田内閣の発足に伴い、農相に就任した。
金子農相は約10か月間の在任期間を振り返って、農用地の荒廃防止に向けた農地の関係法律の成立や、生産資材価格の高騰対策への対応などの成果に触れた。強く印象に残ったこととして愛知県の明治用水漏水事故を挙げ、「対応できなければ4500haに被害を与えると聞き、毎日状況報告を聞きながら対応を指揮した。どうにか落ち着いてきたが、全国に古い用水はあり、注意しなければならない」と述べた。
また、特に今後の課題としてウクライナ情勢を契機とした食料安保への対応を挙げ、「将来にむけた食料の安定供給の確保は重要な問題であり、緊急時だけでなく平時の構造的な課題への対策が必要だ」として、食料の一定量を輸入に頼らざるを得ない中、1つの国に依存せず、食料を確実に確保できる信頼関係を築くことが重要だと指摘した。
さらに限られた財政の中で国民の食を確保することが大事な務めだとして、「一番大事なのは農業や水産業を営んでいる方がそれで食べていけること。努力した人が報われる政策にしていかなければならない。積極的に地域の農業や漁業を引っ張る方に国や行政が全面的に協力していくことが大事だ」と強調した。
重要な記事
最新の記事
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】新政権の農政~「朝令暮改」2025年10月30日 -
よく食べた栗の実【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第362回2025年10月30日 -
鳥インフルエンザウイルスの地理的拡散と進化 2024年シーズンの遺伝子を解析 農研機構2025年10月30日 -
全国の産地応援 伊藤園と共同開発「ニッポンエール 大分県産完熟かぼすSODA」発売 JA全農2025年10月30日 -
伊藤園と共同開発「ニッポンエール 長野県産りんご三兄弟」 発売 JA全農2025年10月30日 -
東北6県の魅力発信「全農東北プロジェクト」とコラボ企画実施 JAタウン2025年10月30日 -
適用拡大情報 殺菌剤「ダイパワー水和剤」 日本農薬2025年10月30日 -
「あしきた太秋」出荷に向け説明会 出荷量24トンを計画 JAあしきた2025年10月30日 -
日本コムシスと連携 養豚場向けネットワークインフラを共同整備 Eco-Pork2025年10月30日 -
世界最大規模のアニュアルレポートコンペティションでGoldを受賞 雪印メグミルク2025年10月30日 -
食べ物とエネルギーの関係探る 農業者や専門家交えたオンラインイベント開催 パルシステム2025年10月30日 -
最新DJI製農業ドローン「全国無料実演会」47都道府県で開催 セキド2025年10月30日 -
伊勢崎市と高崎市で農業体験会 ねぎ・さつまいもなど収穫 パルシステム群馬2025年10月30日 -
発売30周年「豆苗」ダンスキャンペーン開催 公式キャラもデビュー 村上農園2025年10月30日 -
会長に中嶋康博氏を選任 食料・農業・農村政策審議会2025年10月29日 -
10月31日に食糧部会 新委員で審議 農水省2025年10月29日 -
長良川流域文化の資源を活用 世代継承できる地域づくりに学ぶ【JA全中教育部・ミライ共創プロジェクト】(1)2025年10月29日 -
長良川流域文化の資源を活用 世代継承できる地域づくりに学ぶ【JA全中教育部・ミライ共創プロジェクト】(2)2025年10月29日 -
トラへの媚びよりクマ退治【小松泰信・地方の眼力】2025年10月29日 -
1人当たり精米消費量、前年同月マイナス7ヵ月に 高値が影響か 米穀機構2025年10月29日


































