最優秀賞に夏秋イチゴ挑戦の井上氏(長野県) ビジネスプラン競う 日本農業経営大学校2022年11月22日
農業経営者の育成を目的とする日本農業経営大学校は11月21日、都内で第4回のビジネスコンテストを行った。5人の卒業生が発表し、主にケーキ用に使われる夏秋イチゴに挑戦する長野県佐久市の井上隆太朗氏が最優秀賞に選ばれた。
コンテストで受賞した井上さん(写真左)ら3人
日本農業経営大学校は2015年に第1期の卒業生を出して以来、現在115名の卒業生が就農し、全国で活躍している。このコンテストは卒業生および在校生が作成する優れたビジネスプランを応援するための資金支援を行うことを目的とする。
最優秀賞受賞の井上さんは玉川大学農学部を卒業後、日本農業経営大学に2期生として入学し、卒業後はオランダでイチゴ栽培する農業法人で1年半勤務して栽培技術を習得。2020年佐久市で初めてとなるイチゴ狩り園、(株)井上寅雄農園を設立した。
数種類のイチゴを栽培し、特にケーキ用に使われる夏秋イチゴへの挑戦が評価された。現在国内で使われているケーキ用のイチゴはアメリカ産が約7割を占めており、これを国産で賄えないかと考え、佐久市に隣接する標高の高い小海町に農地を求めて栽培を始めた。また新規就農者と農家をネットでつなぐプラットフォームの構築など、農業以外の分野でも活躍している。「培った経営のスキームを自分だけでなく、新規就農の人にも見えるようにパッケージ化して普及させたい」と、後に続く担い手への支援に意欲を示す。
このほか、冷凍焼き芋の直販を軌道に乗せた熊本県大津町の古庄利康氏(1期生)、有機栽培で少量多品目の露地野菜を直売し、妻が経営するパン工房に食材を供給する京都府福知山市の岩切啓太郎氏(4期生)が、それぞれ優秀賞と審査委員特別賞を受賞した。
最優秀賞には200万円、優秀賞には50万円、審査員特別賞には10万円がビジネス資金として贈られた。
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