「下水汚泥」から回収した「リン」を資源に 肥料利用を開始 横浜市2023年3月29日
横浜市は、JFEエンジニアリングと共同で提案した「MAPにより脱水ろ液から効率的にリンを回収する技術」が、令和4年度(補正)下水道革新的技術実証事業に採択され、事業推進に向けて両者で共同研究体協定を締結した。また、回収したリンを活用した肥料開発や流通の仕組みづくりなどについては、JA横浜と連携して取り組む。
原料の大半を輸入に頼る化学肥料の価格は、複雑化する国際情勢に伴い高騰しており、国で肥料の国産化・安定供給に向けた議論が本格化する中、下水汚泥に含まれる「リン」の肥料利用が注目されている。
市内で発生する下水汚泥からリンを回収し、肥料原料として活用できれば、輸入に過度に依存しない国内での資源循環が生まれ、食料安全保障の強化にもつながることから、横浜市は、JFEエンジニアリングと共同で、下水汚泥から安全な肥料原料としてリンを回収する技術を導入する。
この技術は、従来の技術と比べ、各種センサーを用いた運転管理の自動化・省力化や、肥料の製造や利用を容易にするための乾燥機能の付加、既存設備の廃熱利用による省エネ化などを図るもの。令和5年度に北部汚泥資源化センターに、首都圏で初となる実規模のリン回収施設を建設する。建設後は、必要な実証データを取得・蓄積し、国との共有を図りながら、この施設を運用してリンを回収し、肥料原料としての利用につなげる。
また、JA横浜との連携においては、回収リンを配合した肥料の開発・製造や市内を中心とする円滑な流通に向けて、主に次の項目について取り組む。
(1) 回収リンの供給及び利用方針の検討に関すること
(2) 回収リンの肥料登録に関すること
(3) 回収リンを配合した肥料の試験施肥及び製品開発に関すること
(4) 回収リンを配合した肥料の製造に関すること
(5) 回収リンを配合した肥料の流通に関すること
(6) 回収リンを配合した肥料のブランド化及び普及・啓発に関すること
横浜市では、「2027年国際園芸博覧会」を、回収リンを配合した肥料利用の本格的なスタートと位置付け、SDGsの実現にも資する資源循環の象徴的な取組として国内外に発信。また、これを契機として、市内を中心とした農業等への普及展開を進めることで、肥料の国産化・安定供給につなげる。
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