JA豊橋 フェロモントラップによる害虫調査をAI予測に切り替え ミライ菜園2025年6月26日
株式会社ミライ菜園とJA豊橋は、ミライ菜園が開発した防除DXアプリ「TENRYO(テンリョウ)」を活用し、AI予測による害虫調査を実施。2023年以降、アプリに必要なデータを蓄積してきたことで、AIの予測結果について過去のフェロモントラップ捕獲数と比較し、実用的な精度が期待できる見込みが立ったことから、このほどAI予測への全面切り替えた。害虫調査を全面的にAI予測に置き換えるのは、全国のJAグループでは初の取り組みとなる。
ミライ菜園が開発する「TENRYO」は、独自開発したAIが病害虫の発生を予測し、ユーザーへ発生リスクをアラートすることにより、適切なタイミングでの予防的防除をサポートするスマートフォン向けアプリ。現在、キャベツやブロッコリー、タマネギなど9種類の作物に対応し、順次対応作物を追加している。
「TENRYO」を活用した防除指導の様子(愛知県豊橋市)
JA豊橋は、2023年からミライ菜園と本アプリを活用した実証実験を始め、順次アプリの活用を拡大。現在JA豊橋の全ての営農指導員がアプリを使い、AI予測やアプリで共有された病害虫発生状況を防除指導に活用している。
フェロモントラップを使用した調査は、設置・回収・集計を人の手で行っており、JA豊橋では月に40時間以上の作業が必要となっていたが、「TENRYO」への切り替えにより、フェロモントラップ関連の作業時間を9割程度削減できると見込んでいる。削減した時間は、農家への訪問など対面でのコミュニケーションが必要な業務に充当し、よりきめ細やかなサービスを目指す。
フェロモントラップによる発生調査は、調査結果を集約し防除計画に反映するのに1週間ほどのタイムラグがある。また、近年は気候変動により発生傾向も読みづらくなっており、害虫の突発的な発生に対応しづらいことも課題となっていた。
同アプリは、各地の気象データとアプリユーザーから集まる発生履歴を照らし合わせ、独自のAIで病害虫の発生を予測。従来のフェロモントラップが害虫の存在を事後に検知するのに対し「TENRYO」は発生を事前に予測できるという利点がある。JA豊橋では、発生の端緒を早期に予測し、予防的なタイミングでの防除指導を強化することで、病害虫被害削減と生産者の収量アップに期待している。
「TENRYO」のAI予報画面と病害虫発生予報マップの表示画面
ミライ菜園は、今年度から防除DXアプリ「TENRYO」の全国的な普及を目指し、導入を目指すJAや地方自治体(都道府県・市区町村)との連携を強化。JA豊橋との共同実証実験では、すでに高精度での病害虫予測を実現しており、同地区でアプリを利用したキャベツ・ブロッコリー農家では前年比4〜15%の収量増を実現している。
全国の気象情報を予測に用いる「TENRYO」は、愛知県だけでなく全国で使用可能。同社は、近日中に個人農家を対象とした新バージョンを各アプリストアで配信予定で、各JA、自治体と連携した普及を計画している。
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