麦に赤かび病、きゅうりのアザミウマ類など多発に注意 令和7年度病害虫発生予報第2号 農水省2025年5月15日
農林水産省は5月14日、令和7年度病害虫発生予報第2号を発表した。
予報によると、麦では、赤かび病の発生が、東海と近畿の一部の地域で多くなると予想。野菜では、きゅうりのアザミウマ類の発生が、北九州の一部の地域で多くなると予想されてる。また、果樹カメムシ類の発生が、東海の一部の地域で多くなると予想。このほか、トマトのコナジラミ類など地域によっては多くなると予想されている病害虫があるため、農水省は注意を呼びかけている。
各作物の詳細は以下の通り。
◎水稲
水稲で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域
表1:水稲で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域
・イネミズゾウムシの発生が、東海、中国、四国、北九州の一部の地域でやや多くなると予想。ほ場を注意深く観察し、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、発生状況に応じて防除を実施すること。特に育苗箱施用を実施していない場合は、発生に注意する。
・スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)は、昨冬の気温が高かった発生地域では、多くの個体が越
冬しているおそれがあるため、一層の被害の発生を警戒する必要がある。今春の被害を抑えるため、移植前に取水口・排水口にネットや金網を設置し、スクミリンゴガイの侵入を防止する。水田内の発生が多い場合には石灰窒素の散布が有効だが、石灰窒素は水稲の生育にも影響があるため、使用時期や使用方法、施肥量等を確認のうえ実施する。また、移植時は薬剤散布し、移植後は水深を4cm(理想は1cm)以下に維持する浅水管理を実施する。
スクミリンゴガイは、農機具・機械に付着した泥とともに他のほ場へ拡散するおそれがあることから、発生ほ場で使用した後は泥をよく落としてから移動させるよう心がける。なお、一旦定着したスクミリンゴガイを根絶することは困難なこと、また周辺の水田にも悪影響が及ぶことから、除草目的であっても、未発生地域や被害防止に取り組む地域でのスクミリンゴガイの放飼は行わない。
◎麦
麦で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域
表2:麦で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域
・赤かび病の発生が、東海及び近畿の一部の地域で多くなると予想。愛知県、三重県と滋賀県で注意報が発出されている。同病は、感染しやすい時期を捉えた防除が重要で、麦の種類ごとに防除時期が異なる。昨冬から今春にかけて気温が高かった地域では、麦の生育が当初の予測よりも早まる可能性がある。
都道府県が発表する発生予察情報等を参考に、地域ごとの防除適期を確認して的確に防除を実施する。なお、防除適期に降雨が続く場合は、降雨の合間に防除を実施する。
◎野菜・花き
野菜・花きで各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫と地域
表3:野菜・花きで各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫と地域
◎きゅうり
・アザミウマ類の発生が、北九州の一部の地域で多くなると予想。この虫は作物を加害するほか、多くの病原ウイルスを媒介することが知られる。発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考にほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施する。
なお、この虫は薬剤抵抗性が発達しやすいため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定する。
◎果樹・茶
果樹・茶で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域
表4:果樹・茶で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫と地域
◎果樹共通
・果樹カメムシ類の発生が、東海の一部の地域で多くなると予想。山林等の越冬場所から離脱した成虫が春の気温の上昇とともに餌を求めて移動し、果樹全般を加害する。この虫の飛来状況は地域や園地により異なるため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考にしながら、園内の観察をきめ細かく行い、飛来が認められた場合は、飛来初期から防除を実施する。
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