農政:真の地方創生に英知の結集をーJAの果す役割は甚大である-
第3回 私の地方創生論―5ポリス構想2016年11月8日
◆地方創生の基本路線はいかにあるべきかー『私の地方創生論』-
「過疎」という言葉が生まれて50年。この過程で三大都市圏への人口の集中がすすみ、さらにこの10年は三極集中から一極集中へとめまぐるしく、かついびつな変容を日本列島は遂げてきた。これは日本の将来を構想するうえでは決して望ましいことではなく、悲しむべきことである。
そうしたなかで今、「地方創生」が叫ばれている。かつての「地方活性化」「地方再生」から「地方創生」へと看板の塗り変えが進められようとしている。しかし、看板の塗り変えだけでは決して新しい生命力は生まれてこない。これまで地方や農業、農村を疲弊させ、人口減少を促進させてきた政策やその看板の塗り変えでは、真の地方創生はできるものではない。こうした状況を踏まえつつ、私は、「私の地方創生論」を提起した。
私の地方創生論の革新は、さきに述べたように今から25年前に全国に向けて提唱した農業の6次産業化の理論とその実践の成果を踏まえつつ、「5ポリス構想」による地域創生を、構造論、政策論、運動論の三位一体による総合戦略を通して、農村の主体性と内発的発展力を基盤に創り上げようというものである。
「5ポリス」とは、これまでの手あかにまみれた用語や概念を排し、ギリシャ語源にもとづく"Polis"(ポリス)、すなわち(都市ではあるが、むしろ)拠点という斬新な考え方を導入したもので、「農の拠点」=アグロ・ポリス、「食の拠点」=フード・ポリス、「景観と生態系の拠点」=エコ・ポリス、「医療・介護・保育の拠点」=メディコ・ポリス、「文化・技能の拠点」=カルチェア・ポリスという5つのポリス=拠点から成る構想である。この5つのポリスが、総合的、包括的、体系的に充実されることにより、望ましい農業、農村の姿が実現されると考えており、東京砂漠の無味乾燥、かつ不安に充ちた巨大都市から移り住みたいと思う人々も増えてくるのではないかと確信している。
もとよりこの5ポリス構想の実現のためには、総合的、包括的かつ体系的な政策支援、推進と財政措置が不可欠であると同時に、地域住民、農民はもちろん地方自治体や農協をはじめとする農村諸組織の主体的努力と内発的発展力が必要不可欠となる。
(シリーズ記事)
・第1回「農業の6次産業化」とは何か
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