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農政:バイデン農政と日本への影響

【バイデン農政と日本への影響】第1回 バイデン農政の開始~中国の米国産農産物輸入動向が当面の注目点 エッセイスト 薄井 寛2021年2月10日

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米国でバイデン政権がスタートした。「アメリカファースト」を掲げたトランプ政権から農業政策は変わるのか、変わらないのか? そしてそれは日本にどのような影響をおよぼすのか? 米国事情に詳しい薄井寛氏に、月に2回のペースで分析してもらうことにした。

バイデン氏バイデン大統領

まず「パリ協定」復帰で転換鮮明に

ジョー・バイデン大統領へ送った祝辞のなかで、全米農民連盟のロッブ・ラルー会長はこう述べた。「(政治的な分断や経済格差の問題に加え、米国の)農業という産業には多様な課題が内在している。主なものを挙げるなら、企業による食料供給システムの支配であり、慢性的な生産過剰、輸出への過剰な依存、崩壊しつつある農村インフラ、そして農業人口の高齢化だ」。

農業労働力の確保対策から始動

家族農業を守る立場からバイデン氏の選挙戦を強く支援してきたラルー会長の言葉は、米国農業問題の本質をついている。中小の家族経営農家と大規模農家との間に亀裂が広がり、経済的な格差に起因する農村と都市の分断も深刻の度を増してきた。こうしたなか、国民の結束を訴える新大統領は農業・地方政策をどう主導していくのか。

バイデン大統領は就任後の3週間に次の施策の実行に取り組んだ。

〇農業移民労働者の確保対策(120万人とも推計される不法移民の農業労働者に対し、「過去5年の内の4年間に100日以上米国内の農場で就労したことを証明できる」ことを条件に就労ビザ取得を可能とするなど、移民法の抜本的な改革案を議会へ送付した)。

〇労働者の新型コロナ感染予防策などを事業所等に徹底させるため、労働安全衛生庁の指導要領の改善を指示(中西部の農村部などで食肉大手が展開する大規模な食肉加工場では20年春以降、5万人以上の労働者が新型コロナに感染し、少なくても250人が死亡。工場の一時閉鎖で家畜の出荷農家は打撃を受け、スーパーでは食肉価格の高騰や品切れなどの問題が発生した。労働組合は現場労働者のソーシャル・ディスタンスや時間当たりの家畜処理頭(羽)数のノルマ引下げを要求したが、企業側の利益を重視したトランプ前政権は十分に対応しなかった)。

〇低所得世帯に対する食料支援の強化(休校のために学校給食を食べられない低所得世帯の子弟に対して食費補助の上限・児童1人1日5.86ドルを15%増額し、同世帯に対する補助的栄養支援計画(SNAP)の追加給付の検討を開始。また、SNAP支給基準を改定して受給者を15%増やすなどのために30億ドルの予算増額を議会へ要請)。

農業専門誌を含め多くのメディアはこれらの情報を積極的に報道した。そこには、農業労働者の確保や食料支援策による農産物の消費拡大に対する農家の強い期待が反映されている。移民労働者の確保は、特にカリフォルニア州やフロリダ州などの青果農場にとって喫緊の課題であり、法改正の早期実現はバイデン政権に対する農家の評価に最初の変化をもたらすかもしれない。

また、米国最大の農業団体で野党共和党系とされるファーム・ビューローのドゥバル会長は2月2日、次期農務長官候補のトム・ビルサック氏に対し「我々と同じ優先課題を共有している」との支持声明を発表。他の多くの農業団体もバイデン政権の農業・地方政策に強い期待感を表明した。

農家の関心は中国に対する大豆・穀物の輸出増へ

ところが、バイデン農政の出鼻をくじくような情報が2月5日、農務省の経済研究所(ERS)から発信された。2021年度の農業所得が減少へ転じるとの予測である。

トランプ前政権のもと、コロナ禍救済金などの政府直接支払の急増で前年度比45.7%も増えた20年度の純農業所得が、政権交代の21年度には8.1%の落ち込みとなる(表参照)。

(表) 米国の純農業所得と政府直接支払(2014-21年度)

21年度には輸出額も農産物価格もともに上昇が見込まれるにも関わらず、農家に対する政府直接支払が総額253億ドルと、20年度より45.4%も激減するからだ。

一部のメディアは大統領選挙の前後から、バイデン農政の目玉の「脱炭素農業」が新たな所得源を農家へ提供するとの見通しを強調してきた。だが、その所得源の中身はこれからだ。今後150日以内に農務省が脱炭素農業の普及計画を策定する。当初は試験的なパイロット事業から始まるとも伝えられており、純農業所得の減少を穴埋めするような即効力は期待できない。

他方、米国産の大豆やトウモロコシの中国の輸入量が昨年秋から急増。春の作付け作業を前に、米国の農家はその動向と穀物・大豆市況に関心を集中させているようだ。しかし、世界最大の米国産農産物の輸入国となった中国は一方で、飼料穀物の国内生産増に励んでいる。大豆などの輸入先の多元化にも注力することで、"米国農業離れ"の戦略的な価値が今後高まる可能性も否定できないのだ。

米国の農業界には、「(中国への輸出増で)農業が好景気に戻れると判断するのは早計だ」との慎重論がある。これが的中するようなことになれば、もともと共和党系が大部分を占める農業団体の多くは一気に"バイデン離れ"を起こしかねない。

新政権が「最も深刻な競争相手」と位置付ける中国。その農産物輸入政策がバイデン政権に対する米国農業界の評価に大きな影響を及ぼす。そうした"奇妙な構図"が見え隠れするなかで、バイデン農政は船出となった。

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