シンとんぼ(165)食料・農業・農村基本計画(7)世界の食料供給の不安定化2025年10月25日
シンとんぼには農業の持続的発展と食料の安定供給への切なる思いがあり、この思いが一日でも早く実現されることを願いながら、今後の農業を占う様々な事項について持論を展開している。
前回までに2024年6月に改正された食料・農業・農村基本法(以降、「改正基本法」)の条文の理解を深めてきた。シンとんぼなりにしっかりと学べたのではないかとは思っている。現在、同法の理念を実現する具体的な内容を記した(であろう)2025年4月11日に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」(以降、「基本計画」)の詳細を検討しながら、基本法の理念がどのように反映され、どうやって実現しようとしているのか等を検証し、農業現場で何がなされなければならないのか探っている。
前回から第2部食料安全保障の動向の内容を検証しているが、この第2部は世界の食料の需要と供給、世界の食料貿易、新たなリスクへの対応といった内容で構成されており、前回は 世界の食料の需要と供給のうち、「需要の増加」について人口の増加の要因とそれに伴う食料需要の増大をどのようにとらえられているのか検証した。今回は「世界の食料供給の不安定化」についてどのようにとらえられているのか検証してみよう。
世界の食料の生産量は農地面積と単収に左右されるが、その1つめの重要な要素である農地面積は、新規の農地開拓が減少していることや土壌の浸食や塩害等による農地の減少によって、今後、世界の農地は大幅な増加は見込めないとしている。一方でもう一つの要素である単収については、品種改良や肥料、農薬等の農業技術の向上により大幅に増加してきたが、最近ではその伸びが鈍化しているとみている。ということは、農地面積も増えず、単収も増えないとなれば、生産量の増加を期待することができず、世界人口の増加を賄うことができるほどの食料生産量は見込めないことになる。
この他にも、長期的な気候変動や家畜伝染病・植物の病害虫の不測の発生、生産資材である肥料の需給ひっ迫などが主要作物の単収にマイナスの影響を与えることも懸念され、これにバイオ燃料向けといった非食用需要の増加が加わって、世界の食料の総供給量の増加ペースが今後鈍化していくと見込まれている。
このように食料供給に係る様々な要因は、今後の対策を考えるために重要なものであるので、その要因ごとにどのように見ているか次回検証してみようと思う。(つづく)
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