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農政:バイデン農政と日本への影響

【バイデン農政と日本への影響】第9回 食肉加工企業と対立する肉用牛の肥育農家 ――価格形成の透明性などを要求 エッセイスト 薄井 寛2021年6月8日

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昨年春の新型コロナ感染拡大を機に米国では、肉牛肥育農家と食肉加工企業(ミートパッカー)の関係が悪化してきた。その背景には、飼料穀物などの高騰に対する肥育農家の危機感がある。

(表 米国における肥育牛と牛肉の価格推移(注参照)(表 米国における肥育牛と牛肉の価格推移(注参照)

牛肉加工の80%以上を支配する4大パッカー

大小のフィードロット(肉用牛集団肥育場)や家族経営の畜産農家が組織する全米肉牛生産者牛肉協会(NCBA)などの生産者団体は、次のような状況変化のなかで、食肉加工業界に対する反発を強めてきたのだ。

(1)昨年の春から夏に新型コロナ感染拡大によって複数の大手食肉加工場が閉鎖したため、多くの肥育農家は肉牛の出荷先を失い、深刻な打撃を受けた(全米約7600カ所の食肉加工場で働く労働者約50万人のうち、本年4月までに5万人以上が感染し、少なくても248人が死亡)。

(2)その後、外食需要の減少と肥育牛価格の低迷は続いたが、トウモロコシ・大豆粕などの飼料原料が昨年夏から30%~40%も高騰。さらに、今春からの干ばつでアルファルファなどの牧草が20%以上も値上りし、肥育農家の経営は悪化した。

(3)一方、前述した加工場の一時閉鎖によってスーパーやネット通販での牛肉価格が高騰。昨年6~7月には牛肉の品不足が社会問題にもなった。その後、価格は落ち着きを取り戻したが、経済再開に伴い市場価格は再び上昇へ転じた(本年1~4月に約10%アップ)。しかし、肥育牛価格はそれほど回復せず、農家の不満が強まってきた。

(4)肥育牛価格と牛肉価格の乖離幅が拡大したのは(表参照)、牛肉加工事業の80%以上を支配する4大ミートパッカー(JBS、カーギル、タイソンズ、ナショナル・ビーフ)の責任であり、独禁法違反の疑いがあると判断した生産者団体は昨年6月、トランプ政権下の司法省に調査を求めたが、満足いく対応はなされなかった。

(5)これに反発した生産者側は、大手農業企業の独占的な市場支配の是正を訴えたバイデン大統領にその選挙公約を実現させるよう、連邦議会へ圧力をかけるに至った。家族経営農家の全米農民連盟(与党の民主党系)と大規模農家を中心とするファーム・ビューロー(共和党系)も牛肉生産者団体の要求を支持し、超党派での対応を議会へ求めている。

と畜処理施設の増設支援も要求

生産者団体の幹部は肥育農家の窮状をこう訴える。「今年、素牛の繁殖農家は1頭当たり実質約125ドル、パッカーは365ドルの儲けとなるだろうが、肥育農家は13ドルほどにしかならない。牛肉市場が正常に機能していないからだ」

NCBAと36州の牛肉生産者団体は6月1日、上下両院の農業委員長へ書簡を送り、主として次の3点の実現を要請した。

第一は肉牛市場の透明性確保。大手パッカーに対し肥育牛の買い入れ価格等の開示を求める「1999年畜産物報告義務法」(1999年)は現在、2021年末までの時限延長の状態にあり、同法の即時延長を決定するとともに、大手パッカーのいっそうの情報開示を義務付ける法改正を要求した。

過去10年ほどの間に肥育牛の価格決定方式が生体取引から枝肉取引へ大きく変化したために現在は、パッカー各社が枝肉の赤身率や脂肪の量など独自の指数に基づいて自動的に買い入れ価格を決める相対取引(「フォーミュラー契約」)が取引全体の80%超を占める。ところが、枝肉の加工処理後に農家へ知らされる価格等の情報は企業秘密扱いで開示されず、農家は他社の買い入れ価格との比較ができない。このため、フォーミュラー方式によって生産者側は不当な不利益を被っているとの疑念が肥育農家の間で強まってきたのだ。

第2は食肉加工場の増設。施設の大部分が4大パッカーの支配下にあるため、出荷先の選択幅が限られる生産者は、特定の大手パッカーと出荷契約を結び、それを維持せざるをえない。このため、加工場の増設や新設を行う中小の食肉企業へ財政援助を行い、出荷先の選択の幅を広げるよう求めたのだ。

第3は大手パッカーへの監督強化だ。NCBAなどが昨年6月に求めた4大パッカーの調査結果は、いまだ報告されていない。NCBAは調査結果の早急な開示を求めるとともに、大手パッカーに対する監視・監督の強化を連邦議会に迫ったのだ。

他方、21年度の米国の農産物輸出額は1640億ドル(約18兆円)、前年度比21%増の過去最高、牛肉・仔牛肉の輸出量と輸出額も現在、それぞれ6.4%、14.4%伸びると予測されているが、さらなる増大の可能性が出てきた。ブラジルに次ぐ中国への牛肉輸出大国のアルゼンチンが、国内の食料インフレを抑えるために5月17日から1カ月間、牛肉の輸出を禁止したからだ。それに加え、アフターコロナの外食需要増と夏のバーベキュー需要が重なり、米国内の牛肉価格はじりじりと上がり続ける。

にもかかわらず、素牛価格と飼料穀物等の高騰がネックとなって今年度の牛肉・仔牛肉の生産量は1.8%増に留まると農務省は予測する。

こうしたなか、中国の輸入増などによって肥育牛価格と牛肉価格の乖離はさらに広がるとの観測が浮上してきた。4大パッカーと生産者団体との対立問題が今後、日本などの牛肉輸入国へ影響を及ぼすことはあるのだろうか。注視していく必要がありそうだ。

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