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特集:現場から考える農政改革

2014.02.17 
【現場から考える農政改革】(5)学校田でレンコン 食育で有機栽培も一覧へ

長尾正人・JA愛媛青壮年連盟委員長

 米政策や経営安定対策の見直し、農業の多面的機能に着目した直接支払い制度の創設など、今年から新たな農業政策が動き出す。しかし、誰のための何のための農業政策かが忘れられてはならない。その視点を議論に生かすには現場からの発信を強める必要がある。全国の生産現場で活躍する青年農業者6人に思いを聞いた。

◆地産地消にこだわる

長尾委員長 わが家の経営は、有機栽培で水稲2ha、小麦40a、それに15種類ほどの露地野菜を1.5haで作っています。さらに採卵鶏約3000羽を飼育しており、その鶏糞を畑に使って、耕畜複合経営をやっています。JASの有機認証も取っています。
 米や野菜は、県内の有機農産物専門の生協を中心に販売し、野菜は市内の学校給食などにも使ってもらっています。採卵鶏は国産の品種で、岐阜市にある後藤孵卵場の「さくらたまご」「もみじたまご」です。有機栽培は父親が40年近く続けてきたもので、私は、これを引き継いだものです。
 県外に販売先を広げることも考えましたが、特に生協などとの提携は、買ってもらう人の顔がみえること、つまり信頼関係によって成り立っているため、地産地消にこだわってやっています。

(写真)
長尾委員長

 

◆仲間を増やしたい

獣害対策の研修でイノシシの解体を学ぶ盟友 私の住む今治市は有機栽培が盛んで、かつて10人ほどの仲間がいました。しかし、高齢化が進み、2代目がいないところもあって、今は7、8人になってしまいました。仲間を増やしたいですね。新規参入ででも有機栽培をやりたいという人がいればいいのですが、瀬戸内の島ではともかく、ここではなかなか思うようにはいきません。
 10年ほど前にUターンして就農しましたが、父親も入っていたので、自然に青年部の活動に加わることになりました。所属するJA今治立花は小さなJAで組合員も少なく、青壮年部の盟友は100人余りです。
 実際の活動についてですが、管内はレンコンの産地なので、以前から食農教育として、学校田で子どもたちと一緒に栽培したり、、一部では有機栽培での米作づくりにも取り組んでいます。
 県全体で取り組んでいるのは獣害対策です。主にイノシシですが、愛媛県でも獣害は深刻で、捕獲や解体の研修などをやっています。将来的には、販売促進も兼ねて、松山市内に地ビエの料理店を開ければという夢もあります。

(写真)
獣害対策の研修でイノシシの解体を学ぶ盟友

 

◆JAは技術指導の充実を

ポット苗で有機栽培する長尾さん JAに対しては技術面の指導を充実させて欲しいですね。特に有機農産物は栽培が難しく、かつては虫くい野菜は、安全だからという考えもありましたが、それでは買ってもらえません。まして今、安全・安心は当たり前です。
 また、水田の面的拡大が必要だと思いますが、まとまった水田を確保することが困難です。農地集約への取り組みを強めて欲しいですね。
 国は、農政改革で水田農業の規模拡大を打ち出していますが、中山間地など、地域によっては困難なところが多くあります。そこは保護を手厚くして欲しいですね。また愛媛県はカンキツ産地です。これから生産者はますます高齢化することを考えると、園道の整備なども必要だと思います。

(写真)
ポット苗で有機栽培する長尾さん

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