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農政:迫る食料危機 悲鳴をあげる生産者

【迫る食料危機】国民の食と地域を守る 政治に求められる確固たる覚悟 逢坂誠二衆議院議員(立憲民主党)2022年8月9日

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農水省がこの秋から本格化させる食料・農業・農村基本法の検証作業を前に、食料安全保障の強化に向けて何を議論すべきか、谷口信和東大名誉教授が政治家に聞くシリーズの2回目。今回は立憲民主党代表代行の逢坂誠二衆議院議員を訪ねた。

立憲民主党 逢坂誠二衆議院議員立憲民主党 逢坂誠二衆議院議員

農業は地域政策と密接不可分 農政に確固たる覚悟なし

谷口 農業に関する具体的な当面の対策の議論は大事だとは思いますが、対策ではなく長期的な政策の大前提をはっきりさせないと農業者はついてこないと思います。今日は新たな農政の方向をどう考えるかを聞かせていただければと思います。

逢坂 日本の農業の根本的な問題は食料を確保するという基本的な理念、思想がないことです。売れる農業、もうかる農業、輸出できる農業も否定はしませんし、農家ももうかったほうがいいに決まっています。
しかし、基本はどうやって食料を守るかということと、農業は食料を守るだけではなく地域政策と密接不可分ですから、どういう地域やどういう暮らし方、生き方をするかということと切り離せないのです。そこが基本の思想にあって、それが基本法にもしっかり盛り込まれていることが大事だと思います。

食料安全保障については、困ったから食料安全保障、ではなくて普段から考えておくべきことです。政治の役割は国民の命と暮らしを守ることですが、命と暮らしを守るのに必須なのが食料とエネルギーです。だからこれは政治の力で確保するということが大事で、マーケットに任せておけばいいというものではありません。
それに対して確固たる覚悟というものが、食管法がなくなって以来の農政には、ないと思います。そこを再確認をしなければならない時期ではないでしょうか。
ウクライナ問題やコロナ禍だから食料安全保障が大事だということではなく、今回、参院選で立憲民主党が生活安全保障を掲げたのは、ありとあらゆる政策の根底はいかに国民の生活をしっかり守るかだということだからです。

地域の目線で運動論考えるべき

谷口 世界的な食料危機の性格をどう見ていますか。

逢坂 今、食料に関してリスクが非常に高い状況になっていることは事実です。一つは感染症のパンデミック、それから東西冷戦が終わって世界の大国がいがみ合う状態が30年経って来るとは信じられもしませんでしたが、これも不安定要因です。
それから隣の中国です。たとえて言えば、大きな熊手で世界の食料をかき集めてしまう。これは侮れません。肥料も出さないなどの行動も取り始めています。
いずれの観点から見ても食料をどう確保するかが政治の大きな課題だということを政治の意識のなかにしっかり埋め込むことが大事だと思います。
そのときに政府が食料自給率の目標を掲げることは大事ですが、もっと旗を振る運動論がいると思います。
地域、地方の目から見ると、耕作放棄地、荒廃地がものすごく増えている。確かに生産性向上という観点からすれば良い条件の農地で生産を伸ばしていく選択肢もあるのだろうけど、食料をより多く国内で自給するためには、地域ごとに、わが地域で食料自給率を上げるためにはどうしたらいいかという、土地利用を地域の目線でもう一回考えていくことが非常に大事です。

多様性ある農業前提に食料自給率考えるべき

私は日本の農業の特色は、家族経営の小規模な農業から大規模な法人経営までのバリエーションだと思います。北海道でもそうです。故郷のニセコの農業と今暮らしている函館の農業はまったく違います。函館はどちからといえば都市近郊型で狭い面積で高収益の作物を作っており、北海道のなかでも通年的に農業ができる地域です。ニセコはそんなことはできませんが、平均耕作面積は15haぐらいです。それが十勝や北見にいくと50ha、70ha、100haということになります。
その意味では多様性のある農業を前提にしながら、食料自給率を上げるためにはどうすればいいかということを地域で具体的に考えるということが必要だと思います。

その際に土地利用計画も一緒に考える必要があります。土地利用計画の建前は、国が基本的な考え方を整理し、それを受けて都道府県、市町村の順番で計画を作るというものですが、私は逆だと思います。国が大きな方針を立てることはいいのですが、それに沿った土地利用はどうなるかは、地域で率先して考えることが大事です。これを提起したいと思います。
地域の土地のことを知っているのは地域の人です。平たんで広い農地があっても実は痩せていて全然使えなかったり、逆に日陰だけれども土がいいというようなことが分かっている。そうした情報をもっと集めて、地域で食料自給率を上げる運動、農地を守る運動に取り組むことが、国民の食料自給への意識を高めていくことにつながると思います。
その意味で今回の水田活用交付金の見直しは財務省の論理。これでは耕作放棄地が増え、それは農政の敗北です。

自由競争だけでは農業を守れず

谷口 民主党政権の後半の2012年1月に出てきた「人・農地プラン」は、11年8月の概算要求では「地域農業マスタープラン」でした。それが「人・農地プラン(地域農業マスタープラン)」になり、そして13年度概算要求以降は単なる「人・農地プラン」になった。人・農地プランは人と農地を結びつけるだけでしかなくて、地域の概念がない。これに対して「地域農業マスタープラン」は地域をどうするかという話です。今ご指摘の点はもともとは政策の基礎にあった考え方だったわけです。(注)私は40万haに及ぶ耕作放棄地の解消がなければ最終的には食料自給率の向上ができないと思います。自給率が低いのに土地を余らせている。この耕作放棄地問題を農政はもっと正面から考えるべきだと思います。

逢坂 はい。やはり地域から考えることが大事だと思います。そのためには安心して営農が続けられるという政策が必要で、自由競争だけでは農業は守れないことは明らかです。農業は土地の条件や天候に左右されます。自由競争であればいちばん生産性のいいところだけが一人勝ちする。それは世界的にそうです。
生産性だけを考えて農業をすると勝ち負けが明確になって本当の意味で食料を守ったり地域を守ったりすることができません。食料を確保するために一定の所得を保障することや収入減への補償制度をどうするかということをしっかり考えておかなければなりません。また、法人で働いている人にも一定の収入が保証されることが必要です。農業で働くことがステータスになる環境づくりを政府はしなければなりません。

それから国民のみなさんに農業を身近に感じていただくためには流通が重要です。JA、全農を中心とする大規模な流通は根幹として大事ですが、地産地消や直売が食料に対する市民の関心を喚起させると思います。大きな流通とこうした地域の目に見える取り組みの組み合わせで食料自給率を上げることが大事です。自分の目の届く範囲で作られた、誰が作ったかが分かるものを食べることが大事だということをもっともっと普及させていくべきです。

(注)以上の点の詳細は『日本農業年報59 動き出した「人・農地プラン」』農林統計協会、2013年の総論を参照

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