殺虫剤「サイアジピル」 2014年登録めざす2013年9月9日
米国デュポン社農業製品事業プレジデントリック・L・ミラー氏が来日会見
デュポン社(本社・米国デラウェア州)の農業製品事業プレジデント、リック・L・ミラー氏が来日。9月5日に都内で会見を開き、同社の農業関連事業や新剤開発の進捗などについて語った。
同社の農業製品事業売上高は104億ドル。全体の約3割を占め、事業部門別では最大だ。これに食品・栄養関連事業をあわせた両事業に年間研究開発費約20億ドルの6割を投資し、同社の成長戦略の中で重要な位置付けとなっている。
農業製品事業の研究開発では、「常に10ほどの化合物を開発ラインに乗せている。開発状況にもよるが、毎年新製剤を打ち出していきたい」(ミラー氏)と意欲的だ。
日本で近年、上市が見込める剤では、殺虫剤Cyazypyr(サイアジピル)、殺菌剤QGU42を紹介した。
サイアジピルは09年に上市した殺虫剤リナキシピル(商品名「サムコル」、「プレバソン」など)と同じような殺虫スペクトラムを持つが、リナキシピルが咀嚼性害虫への卓効を示すのに対し、さらに吸汁性害虫にも高い効果を持つ。国内では「早ければ14年半ばに登録を取得する」(デュポン日本法人の後藤周司・常務執行役員)見込みであり、「リナキシピルをしのぐ、80億から100億円ほどの売り上げを期待」している。QGU42はべと病・疫病に優れた効果があり、国内では16年の登録取得をめざす。
また、今春、JA全農と共同開発することを発表した新しい水稲用ウンカ剤RAB55も「順調に開発が進んでいる」ほか、主要穀物の新たな種子処理剤Lumizen(ルミゼン)の研究開発も、日本への投入も視野に入れて進めているという。
ミラー氏は農業製品事業のめざす姿を「デュポン社が持つさまざまな化学技術を組み合わせることで、より優れた問題解決の手法を提供していく。食糧、飼料などに対する現在と将来ニーズへの対応、作物や農業資源の保護、農業コミュニティの社会的、経済的繁栄の促進に貢献し、農業の持続的成長を実現したい」と語った。
(写真)
「より優れたソリューションを提供し、株主と顧客に貢献したい」と目標を掲げるミラー氏
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