Boortmalt社と気候変動対応農業の促進に向け提携 BASF2022年8月4日
独BASF本社のアグロソリューション事業本部と、大麦麦芽の世界的リーディングカンパニーであるBoortmalt社(ベルギー)はこのほど、アイルランドの大麦生産におけるCO2排出量削減のためのプログラムを発表。今回の試験的なプロジェクトは、大麦麦芽のバリューチェーン全体を巻き込んだ世界初のもので、アイルランドで選出された50の生産者とともに開始した。
両社は、気候変動対応農業の実践をサポートするツールやプラットフォームを共同で提供。これにより、アイルランドの大麦生産者がCO2排出量削減と炭素隔離に取り組み、気候変動対策に貢献できるようにする。
Boortmaltは、生産者との商業活動を通じて、BASFのGlobal Carbon Farming Program(グローバルカーボンファーミングプログラム)の一環として生産者が実施し関連データを管理できるイノベーションを推奨。また、BASFは、xarvio FIELD MANAGER(ザルビオ フィールドマネージャー)によるデジタルプラットフォームを開発している。
このプラットフォームは、Gold Standard(ゴールドスタンダード)など、世界の主要カーボン認証団体の要件を満たすために、必要な全てのデータをまとめることをめざしている。アイルランドの大麦生産者は、自由に取引できるカーボン認証を得られ、持続可能な農業運営のため、さらなる収入源を創出できる。
2023年中に最初の結果報告がまとめられる予定で、報告内容によりアイルランド国内の他の生産者や他国での類似のプロジェクトが検討される。今回の試みは、参加した生産者が農業運営におけるCO2排出を削減することへの経済的なインセンティブとして、カーボン認証の取得を支援することを目的としている。
Boortmaltは、低炭素で生産された大麦とともにこのカーボン認証を購入することで、バリューチェーンにおけるCO2排出量の削減を計画。持続可能な方法で生産された大麦は、アイルランド南東部で行われ、複数の賞を受賞しているウィスキープロジェクト、Waterford Distillery(ウォーターフォード・ディスティラリー)で、CO2排出量を削減したウィスキー製造に使われる。
BASFのレギュラトリー・サステナビリティ・パブリックアフェアーズのシニア・バイス・プレジデントのディルク・フォエステ氏は「BoortmaltとBASFの協業により、気候変動への悪影響の軽減と農業で価値を生み出すことは両立できる。これは、BASFのGlobal Carbon Farming Programの大きな第一歩であり、これからさらに進めていけるものと考えている」とコメント。また、Boortmaltのサステナビリティ・サプライチェーン最高責任者であるインゲ・ド・ウィン氏は「Boortmaltはバリューチェーンにおけるスコープ3排出量の削減に向けて継続的に活動していく。BASFとは、生産者が持続可能な方法で収量を増やし、CO2排出量を削減し、作物の質を向上させるための助けとなるイノベーションを共にもたらしていく」と話している。
両社は、生産者の農業運営におけるCO2削減への支援という目標を掲げている。BASFのアグロソリューション事業本部は、2030年までに持続可能な農業を促進することを約束。その目標の一つとして、生産者が生産作物1トンあたりのCO2排出量を30%削減することを掲げている。また、Boortmaltは、2030年までに農業サプライチェーンからのスコープ3排出量の30%削減達成を約束している。
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