昆虫寄生菌が病原菌も抑えるメカニズム解明 微生物農薬1剤で害虫と病気を防除 摂南大学2023年10月11日
摂南大学農学部農業生産学科の飯田祐一郎講師と農研機構、アリスタライフサイエンスらの研究グループは、本来は殺虫剤の有効成分として利用される昆虫寄生菌「ボーベリア・バシアーナ」が野菜の重要病害うどんこ病に対しても殺菌効果をもたらすことを発見し、そのメカニズムを解明した。同菌を含む微生物農薬1剤で害虫と病気の両方を同時に抑えること(デュアルコントロール)が可能となり、農薬散布の労力やコストの削減が期待できる。
微生物農薬が植物の病気に対する免疫を誘導することを解明し、害虫との同時防除が可能となった
近年、ヒトの病気において抗生物質が効かない耐性菌のまん延が問題となっているが、植物の農薬も同じ状況になりつつあり、化学農薬が効かないために病気や害虫の防除が難しくなっている。新たな化学農薬の開発は数億円にのぼる莫大な開発コストとおよそ10年の期間が必要とされ、耐性菌の出現によりすぐに使い物にならなくなるリスクを抱えている。
研究グループは昆虫寄生菌のボーベリア・バシアーナが植物の表面や内部に定着し、うどんこ病に対する植物の免疫を誘導することを解明。同菌を有効成分とする微生物農薬ボタニガードESは広範な害虫への優れた殺虫効果に加え、病気にも効果のある殺菌剤としても使用できるようになり、有機栽培農家や特別栽培農家にとって有力な微生物殺虫・殺菌剤として期待される。
この成果は、生研支援センター「イノベーション創出強化研究推進事業」の支援を受けて得られたもので、8月24日付スイスの植物学系学術雑誌『Frontiersin Plant Science』に論文が掲載された。
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