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農薬:現場で役立つ農薬の基礎知識2018

【現場で役立つ農薬の基礎知識2018】秋冬野菜の病害虫防除のポイント2018年7月20日

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よく効く状況を
逃さずに“適期防除”を

※この記事は2018年に掲載した内容です。最新記事はこちらをご覧ください。

現場で役立つ農薬の基礎知識「最新記事」はこちら

◆病害虫の発生状況つかみ把握すること!

seri1807200401.jpg 秋冬野菜に限らず、病害虫を効率的に防除するには、病害虫の発生が少ない時期や使用する農薬がよく効く状況を見極めて、それを逃さずに散布する"適期防除"が重要だ。
 例えば、小さい害虫にしか効かない農薬を大きくなってしまった害虫に散布しても効果がないし、病害が発生する前に散布しなければ効かない農薬を病害の発生後にいくら散布しても効果は期待できない。このような場合、その多くが無駄な散布になってしまう。
 このため、まずは病害虫が今どんな状況にあるかをよく把握するようにしたい。
 その上で、毎年発生する病害虫であれば、防除暦などが示す防除時期に確実に散布し、例年と異なる発生状況の場合には、まずは指導機関の指導を仰ぎながら、適期を逃さないようにする対応が必要である。

◆秋冬野菜の問題病害虫とその防除対策

【オオタバコガ】

 オオタバコガは、盛夏から初秋にかけて被害が大きくなり、ナス科やウリ科、アブラナ科、レタスその他多くの野菜や花卉を食い荒らす非常にやっかいな害虫である。オオタバコガは、とにかく発生の初期を見逃さずに確実に防除することが重要だ。そして、発生期間を通じて次から次へと発生してくるので、発生が始まったら発生期間を通じて定期的な薬剤散布が必要だ。特に果菜類では、幼虫が果実に喰い入る前に確実に防除できるよう、発生初期からの定期防除は不可欠だ。
 効果のある薬剤としては、フェニックス顆粒水和剤やアファーム乳剤、スピノエース顆粒水和剤、トルネードフロアブル、プレオフロアブル、プレバソン顆粒水和剤の評判がよい。
 気候変動等の理由により発生が読めない場合は、セル苗灌注処理法が効果的なようだ。この方法は、育苗期に薬液を灌注処理するだけで、本圃に移植してからも苗がまだ小さい時期の防除作業が省略でき、初期の被害や苗による持ち込みを防ぐことができる。キャベツやレタスなどの苗を植え付けてから1カ月近くも効果を発揮するので、生育初期の被害を回避することができる。先に紹介した薬剤には、この処理法ができる薬剤も多いのでセル苗移植の場合は、一度試してみると良い。

オオダバコガ

(上の表をクリックするとPDFファイルが開きます。)

【ハスモンヨトウ】

 年に5~6回も発生し、施設内なら越冬もできるので、冬でも発生することもある。多食性で、ありとあらゆる作物を食い荒らす大変厄介な害虫である。時期的には、8月~10月の被害が特に大きいので、これからの季節は最重点で防除に取り組んでほしい。
 この害虫の厄介なところは、6回ほど脱皮して蛹・成虫となる際に、齢期が進むにつれて薬剤が効きにくくなることである。特に最終の6齢幼虫だと防除が難しくなる上、食害量も多くなるので大きくなる前にしっかりとした防除が必要である。
 このため、薬剤がよく効く幼虫がまだ小さい時期からの徹底防除が重要で、発生初期からの発生期間を通じた定期的な防除が必要となってくる。
 指導機関等の資料で防除薬剤としての評価が高いのは、フェニックス顆粒水和剤、プレオフロアブル、プレバソン顆粒水和剤の3剤であり、古くからの薬剤では、アファーム乳剤、オルトラン水和剤、コテツフロアブル、ジェイエース水溶剤、ランネート45DF、ロムダンフロアブルなども高評価である。

ハスモンヨトウ

【ナモグリバエ】

 名前のとおり葉にもぐりこんで葉の内部を食害して絵かき症状を示す害虫である。多くの葉菜類に寄生し、特にレタスでは、心葉を加害し、最悪の場合、枯死するなど大きな被害を起こす要注意な害虫である。常発地域では、育苗期や発生初期の徹底した防除が必要である。
 防除薬剤では、ダントツ粒剤やモスピラン粒剤などの植穴処理やリーフガード顆粒水和剤やアファーム乳剤などの散布が効果高い。特に植え付け初期の被害を防ぎたい場合は、ジュリボフロアブルなどを育苗期後半にセルトレイに処理すると効率の良い防除ができる。

ナモグリバエ

【ネコブセンチュウ】

 サツマイモネコブセンチュウによる被害が多く、作物別ではトマトやサツマイモでの被害が大きい。被害は、土壌中にいるネコブセンチュウが野菜の根に寄生して根にコブを形成させ、根の機能を低下させることによって起こり、生育不良や葉の黄変などといった被害を起こす。
 防除対策としては、センチュウの密度がまだ少ない時には、ネマトリンのような土壌処理粒剤の効果が高く、散布労力も少なくて済む。しかし、密度が多くなってくると土壌処理粒剤だけでは防ぎきれなくなるので、そういった場合には、ソイリーンなど土壌消毒剤による徹底防除が必要になってくる。 
 しかし、センチュウは土壌の深いところに生存している場合もあり、根絶させるのは難しい。このため、対抗植物「マリーゴールド」の作付けや太陽熱消毒など耕種的防除と組み合わせて総合的な防除を行うように心がけたい。

【アブラムシ】

 多くの野菜に寄生し、吸汁被害やウイルス媒介などの被害を起こす。レタスではモモアカアブラムシとジャガイモヒゲナガアブラムシが寄生するが、両主ともに寄生する作物が多く、様々な野菜に寄生する。
 比較的防除しやすい害虫で、モスピランやダントツ、スタークルなどネオニコチノイド系剤の効果が高く、粒剤の土壌処理や薬液散布など用途に合わせて使用できる。その他、トレボンなどピレスロイド剤の効果も高い。また、フーモンなど気門封鎖剤は、収穫前日まで使用でき、使用回数制限の無いことからローテーションの1剤として有効活用したい。

【根こぶ病】

 アブラナ科作物の根に、大・小不揃いのコブをつくり、根の機能を低下させ、生育不良やひどい場合には枯死させる病害である。病原菌は、かびの仲間ではあるが、耐久体をつくって土中に5~6年という長期間生存する厄介な病害だ。そのため、アブラナ科作物を連作すると病原菌が土壌中に増え続け、なかなか減らすことができない。土壌水分が多く、酸性圃場の場合に発生が多くなるので、排水をよくして土壌の水分を下げたり、石灰窒素や石灰の施用による土壌のアルカリ化を図ることが防除の基本だ。
 防除薬剤には、作条土壌処理もしくは全面土壌処理を行うものにネビリュウやネビジン粉剤、フロンサイド粉剤やオラクル粉剤などがある。
 また、セル苗灌注によって定植初期の根こぶ病感染を防ぎ、被害を少なくできる方法がある。これは、散布の手間が省け、使用する薬量も少なくて済むので省力的な方法だ。

根こぶ病

【べと病】

 葉に、黄色~淡褐色(ハクサイ)や淡黄緑色(キャベツ)、淡黄褐色(ブロッコリー)の葉脈に囲まれた不整形病斑をつくり、秋~冬の多湿時に発生が多くなる。
 病原菌はべん毛菌類と呼ばれる湿度を好むカビで、感染から発病までの期間が短く、気付いた時には既にかなりの範囲で病気が広がっていることが多い。そのため、ジメジメした時期など発生が多くなる時期には、丁寧に観察し、病斑が見つかったら速やかに防除するようにしたい。
 また、どの病害もそうだが、病斑を見つけてから防除するよりも、病気が発生する前の予防的散布が最も効果が安定するので、毎年発生するような圃場では、発生前から定期的な予防散布を行う方が効率的である。
 散布の際には、葉の裏にもしっかりと薬剤が届くよう丁寧に散布し、特に降雨など湿度が増す恐れがある場合などは、早め早めに薬剤散布を行うことを心がける。
 薬剤防除は、予防効果に優れ残効も長い保護殺菌剤(ジマンダイセン、ダコニール、ペンコゼブなど)をローテーション散布の基本として、少しでも病勢が進むようなら速やかに治療効果が期待できる薬剤(アミスターフロアブルやリドミルMZなど)を使用して、病勢を止めるようにするとよい。ただし、治療効果が期待できる薬剤は、耐性菌発生のリスクがあるので、防除時期の前に地域の指導機関に確認するようにしてほしい。

べと病

下記はその他の防除薬剤一覧です。

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