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農薬:防除学習帖

【防除学習帖】第26回 雑草防除の基礎知識<6>2019年11月8日

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 前回までに除草剤を使う上で必要な基礎知識である農薬ラベルの意味のうち、作物名から使用時期、使用回数、使用方法、使用上の注意事項、薬害(水稲)について紹介した。今回は、除草剤を安全に使用する上で重要な薬害に関する注意事項(園芸)と一般的な留意事項について、なぜそのような注意事項がつけられているか、その理由について整理してみた。

 2.農薬ラベルへの記載内容(前回からの続き)

(8)薬害に関する注意事項
例1:畑作物のは種後に使用する場合には、作物が出芽してからの使用は薬害を生じるおそれがあるのでさけてください。
 (解説)これは土壌表面に散布する粒状除草剤の注意事項である。作物の芽が出た後に散布すると、敏感な幼植物に除草剤が直接触れてしまう可能性が高くなり、それによって薬害が発生する可能性が高くなるからだ。薬害を回避するためには、この種の注意事項をよく把握し、確実に守るようにしてほしい。

 例2:畦間、株間に使用する場合には、作物にかかると薬害を生じるおそれがあるので、かからないように使用してください。また実散布面積に応じて使用量を調節してください。
 (解説)広葉雑草を枯らす除草剤の場合はイネ科作物への薬害はほとんど無いというように、除草剤の有効成分ごと、作物ごとに薬害の発生程度が異なる。そのため、薬害の出やすい作物に除草剤が触れると薬害に結びつくため、株間などに散布する場合は、作物にかからないよう細心の注意が必要になる。
 以上のように、薬害に関する注意事項は各種試験による結果をもとに記載されており、薬害回避のために必ず参考になるため、使う前によく確認するようにしてほしい。

 (9)一般的な留意事項
 例1:使用に当っては、使用量、使用時期、使用方法などを誤らないように注意するほか、別途提供されている技術情報も参考にして使用してください。特に初めて使用する場合や異常気象の場合には、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることをお勧めします。
 (解説)農薬取締法では、使用する作物、使用量(希釈倍数)、使用時期、使用回数を使用者が必ず守らなければならない事項として定めている。これらを順守することは基本中の基本であるが、その他、使用方法には効果面や薬害面、食品としての安全性を保つために必要な事項が記載されているので、書かれていることを守って使用することが農薬を使用する側の義務である。
 また、高温などの異常気象の際には、農薬登録を取得する際に行った時の試験条件の範疇を超えた環境で農薬が使用されることがある。そのような場合には、通常は起こりえない薬害や効果不足などが起こることがある。このため、例えば、高温で薬害の出る可能性のある農薬を使う必要があるような場合には、日の沈む夕刻に散布するなど工夫が必要だ。いずれにしろ、異常気象などで農薬の使用に悩むような場合は、迷わず指導機関の指導を仰ぐようにしたい。

 (10)安全使用上の注意
 例:散布の際は農薬用マスク、手袋、長ズボン・長袖の作業衣などを着用してください。作業後は直ちに手足、顔などを石けんでよく洗い、うがいをするとともに衣服を交換してください。作業時に着用していた衣服等は他のものとは分けて洗濯してください。かぶれやすい体質の人は取扱いに十分注意してください。
 (解説)農薬は、農薬ラベルに記載の方法で正しく使用すれば、安全に使えるものである。ただし、農薬の使用者は、希釈前の原液など散布時よりも有効成分濃度の高い農薬に触れる場合があったり、散布液に直接晒される機会が多くなる。農薬によっては、眼への刺激性があるものや、皮膚が露出している場合にはかぶれが起こったりするものもあるので、農薬は、希釈液も含め直接人体が触れることの無いように注意する必要がある。
 このため、保護メガネ、農薬マスクはもちろんのこと、長袖・長ズボンのカッパといった保護衣をきちんと着用して使用すること。マスクの代わりに手ぬぐいで済ます農薬使用者もいるが、手ぬぐいではほとんど効果が無いことを知っておいてほしい。
 また、作業後の手足や顔などは防除衣の隙間などから農薬が流入し付着していることがあるので、作業後は直ちにシャワーを浴びるなどしてきれいに洗い流すようにする。

 (11)魚毒性等
 例:水産動植物(藻類)に影響を及ぼすので、河川、養殖池等に飛散、流入しないよう注意して使用してください。散布後は水管理に注意してください。散布器具及び容器の洗浄水は、河川等に流さないでください。また、空容器、空袋等は水産動植物に影響を与えないよう適切に処理してください。
 (解説)農薬の成分によっては、魚類やミジンコ、水生昆虫、藻類など水生動植物に影響があるものもある。そのような農薬を使う場合は、ほ場以外にドリフトまたは流入しないように十分に注意して散布する必要がある。また、水田では、散布直後に水を流したりすると有効成分が河川等に流れ出てしまうばかりか、効果も低下してしまうことがあるので散布後は特に水管理を徹底する必要がある。
 農薬が入っていた容器などが用水等、環境に流れ出る水路では絶対に洗わないことと、バケツなどで洗浄した場合でも洗浄液を用水等に流さないことを厳守していただきたい。これは、空容器にも有効成分がまだ残っているためで、濃度は薄いが敏感な生物には影響が出る恐れがあるためである。

 (12)保管
 例:密封し、直射日光をさけ、食品と区別して、冷涼・乾燥した場所に保管してください。
 (解説)農薬の成分は、日光で分解するものや、高温で分解が進むものもあるので、できるだけ冷暗所で乾燥したところに保管することが望ましい。まれに、農薬ボトルを冷蔵庫などに入れる場合もあるが、これは誤飲のもとであるので絶対にしないこと。まさかとは思うが、子供や老人などによる誤飲による事故が例年報告されている。特に、使用残りの農薬液をペットボトル等に移し替えての保存も誤飲を招く恐れがあるので絶対にしないでいただきたい。


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