農薬:防除学習帖
トマト防除暦の作成43【防除学習帖】第177回2022年11月26日
現在、防除学習帖では病原菌の種類別にその生態や防除法を紹介しており、不完全菌類の病害を紹介している。
1.トマト輪紋病の病原と生態および被害
トマト輪紋病は、Alternaria solani という糸状菌によって起こる病害で、地上部のあらゆる部分に発生し、果実がなり始めることから発生する。葉でははじめに水浸状の暗褐色の小斑点を生じ、それが次第に拡大して楕円形~紡錘形の同心円状の輪紋斑になる。多湿条件で病斑上に黒いビロード状のカビが発生する。果実では、ヘタ付近や、亀裂部分や外傷部から侵入、発病し、水浸状の暗褐色病斑となる。
病原菌は、被害植物(残渣)とともに土中に入り越冬する。翌春、被害部から分生胞子を生じて第一次伝染源となる。種子伝染もするため、無病種子か無病苗の使用が原則となる。
被害は、葉に発生すると収量、品質の低下、果実では直接的な被害を起こし、大きく商品価値が低下する。
2.防除法
(1)耕種的防除
①多湿にならないように管理することで、発生を少なくすることができるので、湿度管理を中心に対策を行う。次のポイントを参考に、できれば複数組み合わせて実施すると良い。
②樹勢が衰えないように、適正や栽培管理に気をつける。特に窒素肥料不足が病勢拡大の要因になるので、適正施肥を徹底する。
③次作の発生源となる被害茎葉を施設内に残さないように徹底する。
④分生胞子を拡散させないようにするため、早期発見を心がけ、病斑を見つけたらできるだけ速やかに取り除く。
⑤風通しを良くして、灌水や排水に注意して、過湿にならないようにする。
⑥種子伝染するので、無病の種子、苗の利用を徹底する。
(2)化学的防除
発生が多くなった後では、たとえ治療効果のある薬剤でも十分な効果を発揮できないので、ペンコゼブフロアブルやダコニール1000など予防効果のある薬剤の定期散布を基本とし、病害が発生したら、発生初期のまだ病害が少ないうちに治療効果のある薬剤を使用して徹底防除を行うようにする。
散布にあたっては、成分系列の異なる薬剤でのローテーション散布を心掛ける。
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