福岡県うきは市でドローン物流配送実験を実施 JAにじなど連携 西久大運輸倉庫2022年11月24日
西久大運輸倉庫は11月11日、「ドローンを活用した持続可能な地域づくり」に関する3者連携協定を結ぶ株式会社トルビズオン、福岡県うきは市と、ドローンを用いた物資配送の実証実験を実施。また、JAにじ⽿納の⾥や地域の⾃治会と連携し、住⺠に受け⼊れられるドローン空路を構築し、今後の社会実装に向けて動き始めた。
うきは市は、高齢化と過疎化への対応が急務で特に、地域における担い手不足は、社会インフラの持続性にも影響が出る可能性がある。そこで、西久大運輸倉庫、トルビズオン、うきは市の三者は、社会課題である少⼦⾼齢化・過疎化に対し、ドローンなど新しいモビリティを⽤いることで、買い物弱者、医療困難者等の課題解決と新産業の創出を図る。今回はその第⼀弾として、フードデリバリーのドローン配送事業モデルのユースケース(過疎物流対策及び観光コンテンツの創出)を作ることを前提とした実験を企画した。
実証実験では、うきは市の中⼼地から少し離れた屋部地蔵公園内にある「屋部⼭荘」を豊かな⾃然に囲まれた閑静なワーケーション施設と⾒⽴てた。⼭荘の庭にはBBQ設備が設置されており、その⾷材としてJAにじ⽿納の⾥からドローンを⾶ばし、果実、ジビエ⾁など地域の⾷材を配送した。
⾶⾏ルートは、地権者の承諾を得たルートで計画され、ドローンの⾶⾏下に第三者が侵⼊しないよう⽬視⼈を配置したレベル2⾶⾏でドローンを⾶⾏。また、⾶⾏中は臨時に設置した「遠隔監視センター」からリアルタイムでドローンの位置や機体情報を配信し、関係者及び市役所職員がモニタリングできるようにした。
今回の実証実験について、うきは市の髙⽊典雄市長は「ドローンを活用することにより、空路での輸送の確保や災害時の被害状況の確認のほか、将来的には買い物や移動が困難な方々に対する福祉施策にも役立つよう期待している」とコメント。西久大運輸倉庫の伊東健太郎社長は「物流業界が抱える2024年問題への対応策の一つとして、ドローン物流を事業化するため、今後さらなる実証実験等を通じて安全対策・飛行技術・地域住民との連携・マネタイズ(収益化)手法を確立していきたい」と話した。
また、JAにじ久保田和宏代表理事専務は「過疎地配送は、今後の社会における課題であると同時に、台風や地震といった自然災害に対する防災という面でもドローンを活用した空の道づくりは大切。平常時から利活用されるドローンの空の道を整備していくことを意義が理解できた。今回の実験では人による目視が必要で、それでは社会実装は難しいと感じたが、今後の法改正により、人がいなくても自動でドローンが配送をしてくれることは期待している。農地が多い地区であることからも、今回の実証実験では地権者からの承諾を得たドローンの飛行であり、万が一の事故が起きた場合の補償があることも安心できた」と感想を語った。
今後は、軽輸送とドローン配送を組み合わせたハイブリッド型の過疎地配送や、大都市圏までをドローン配送で繋ぐ長距離輸送を今後の航空法改正に合わせて検討。また、うきは市は人口の多い福岡市や久留米市とも近く、ラグジュアリーホテルのフェアフィールド・バイ・マリオットの誘致も予定しており、観光における魅力の発信として「ドローンフィールド・デリバリー」なども検討していく。
重要な記事
最新の記事
-
JA貯金残高 107兆2744億円 3月末 農林中金2025年5月9日
-
米、再生産可能な施策で後押し 石破茂総理2025年5月9日
-
【JA人事】JAぴっぷ町(北海道)大西組合長を再任(3月28日)2025年5月9日
-
備蓄米 全農出荷済み6万3266t 落札量の3割 出荷依頼には100%対応2025年5月9日
-
イネカメムシ被害を防げ 埼玉県と加須市、「防除」を支援 JAの要請実る2025年5月9日
-
備蓄米の円滑な流通 さらなる方策検討 買戻し条件見直しも 江藤農相2025年5月9日
-
米価 「高くなる」判断がやや増加 米穀機構2025年5月9日
-
(434)世界の配合飼料業界のダイナミズム【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年5月9日
-
全農杯全日本卓球選手権大会(ホープス・カブ・バンビの部)岐阜県予選会を県産品で応援 JA全農岐阜2025年5月9日
-
職員対象に「農業体験研修」を実施 JA全農あきた2025年5月9日
-
米を買うときに重視「国産米」77.8% お米についての緊急アンケート 日本生協連2025年5月9日
-
外食市場調査3月度 市場規模は3162億円 3か月ぶりに前年比でもマイナス2025年5月9日
-
BASFグループの第1四半期業績 特別項目控除前EBITDAはほぼ前年同期水準を確保2025年5月9日
-
鳥インフル 米サウスダコタ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年5月9日
-
生活協同組合ひろしまと連携協定「無印良品」商品を供給開始 良品計画2025年5月9日
-
ノークラッチで簡単操作「三菱トラクターGJE28・35」新発売 三菱マヒンドラ農機2025年5月9日
-
カインズ 神奈川県相模原市と「包括連携協定」締結2025年5月9日
-
まるまるひがしにほん「新潟県の地酒と特産品フェア」開催 さいたま市2025年5月9日
-
「親子でお米の田植え体験イベント」5月25日に開催 momofarm×農産直売所あぜみちのコラボ企画 グリーンデイズ2025年5月9日
-
生産者にフォーカスを当てた食品展示会「たべるーとEXPO」2025年7月に開催決定 TYL2025年5月9日