「培養肉未来創造コンソーシアム」設立 大阪大学・島津製作所・伊藤ハム米久など5者2023年3月30日
大阪大学大学院工学研究科、島津製作所、伊藤ハム米久ホールディングス、凸版印刷、シグマクシスの5者は3月29日、「培養肉未来創造コンソーシアム」を設立した。同コンソーシアムは、「3Dバイオプリントによる食用培養肉製造技術に関する社会実装の具体的な取り組み」を目的として、企業を超えた協業により「3Dバイオプリント技術の応用開発」「生産・流通までの一貫したバリューチェーンの確立」「省庁や民間企業との連携による法規制整備への貢献」を進める。また、2025年開催の大阪・関西万博での展示など、生活者の理解促進につながる情報を発信し、世界に先駆けて培養肉食用化の実現を目指す。
「培養肉未来創造コンソーシアム」設立の記者会見で。
写真左から、島津製作所 馬瀬嘉昭専務執行役員、伊藤ハム米久ホールディングス 小山剛上席執行役員、
大阪大学 桑畑進工学研究科長、大阪大学 金田安史理事・副学長、
大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻 松﨑典弥教授、
凸版印刷 遠藤仁常務執行役員、シグマクシス 桐原慎也ディレクター
大阪大学が開発した3Dバイオプリント技術は、筋肉組織構造を自在に作製するもので、食糧や再生医療、創薬分野での利活用が見込まれる。大阪大学と凸版印刷らは2021年8月、筋・脂肪・血管という異なる線維組織を3Dプリントで作製し、それらを束ねて統合する技術について論文を発表。この技術をベースに、大阪大学、島津、シグマクシスは2022年3月、「3Dバイオプリント技術の社会実装」に向けた協業契約を締結し、実用化への取り組みを開始した。
新たに設立する「培養肉未来創造コンソーシアム」は、これらの協業に加え、長年にわたる食肉の知見を有する伊藤ハム米久が参加することでさらに発展させ、技術開発を加速する。同コンソーシアム設立に先立ち、大阪大学、島津、伊藤ハム米久、凸版印刷、シグマクシスの5者は、1月に「3Dプリントによる食用培養肉技術の社会実装」に向けた合意書を調印し、活動に向けた体制を構築した。
また、同コンソーシアム設立に合わせて、大阪大学、伊藤ハム米久、凸版印刷は大阪大学吹田キャンパス内に「培養肉社会実装共同研究講座」を開所。同共同研究講座と2019年12月に設立した「大阪大学・島津分析イノベーション協働研究所」が、同コンソーシアムの研究推進拠点となる。
5者はコンソーシアムの活動内容を世界に発信する場として、大阪府・大阪市などが出展する大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン Nest for Reborn」に協賛し、培養肉自動製造装置の展示を予定。また、3Dバイオプリント技術で製造した培養肉を、希望する来場者に提供を検討している。
大阪・関西万博での活動を通じて、環境負荷を低減し世界規模のタンパク質不足を解決する「未来の食」の一つとしての培養肉の在り方を示し、生活者の理解促進につなげる。
コンソーシアム参画組織は、技術開発、省庁や関連団体との連携、対外情報発信を行う「運営パートナー」、特定の技術領域について共同研究に取り組む「R&Dパートナー」と、培養肉関連の技術・製品の普及に向けた情報発信を担う「社会実装パートナー」で構成され、「運営パートナー」は、大阪大学、島津、伊藤ハム米久、凸版印刷、シグマクシスの5者が務める。また、同コンソーシアムは、「R&Dパートナー」「社会実装パートナー」としての参画組織を、多様な領域から募集する。応募は(メール:s-matsusaki@chem.eng.osaka-u.ac.jp)へ。
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