4月の卵価 高止まりで平成以降最高値を更新 野村農相「徐々に回復基調に」2023年4月28日
4月の卵の平均卸売価格は前年同月より約65%上昇し、平成以降の最高値を2か月連続で更新した。関係者によると鳥インフルエンザ流行による供給不足が続き、3月下旬から高止まりしているという。野村哲郎農相は4月28日の閣議後会見で、「ブラジルからの輸入や鳥インフルの発生した鶏舎でのひなの導入も進んでおり、一気にに価格が戻ることはないが徐々に回復基調にあると思う」と述べた。
JA全農たまごによると、4月の東京の卵のM基準値(円/㎏)の平均卸売価格は350円となり、前月より7円上昇した。前年同月の211円と比較すると約65%上昇した。卵の価格は3月に343円となり、平成3年3月の335円を32年ぶりに上回って平成以降、最高値となったが、2か月連続で更新した。
鶏卵の卸関係者によると、鳥インフルエンザ流行による鶏の殺処分による供給不足が続き、3月下旬には平均卸売価格が350円前後に達し、高止まりしている状況だという。今後の見通しについては、「鳥インフルエンザがまだ完全に収まったとは言えず、予断を許さないが、徐々には回復していくと思う」と話している。
卵の流通をめぐっては、鳥インフルエンザの被害がないブラジルから殻付きの加工用に卵を輸入する動きが出ているほか、タイの食品大手企業が日本に向けて液卵の出荷を始めたとの情報もある。
野村農相は会見で、「調べたところ、鳥インフルの発生により殺処分のあった鶏舎にひなが63万羽導入されたとの動きがある。半年位で卵を生み出すことになるので、一気に価格が戻ることはないが、徐々に回復基調にあると思う」と見通しを述べた。
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