「核なき世界」を若い世代とともに 平和・核廃絶フォーラム開催 パルシステム連合会2024年9月27日
パルシステム連合会と(一社)核兵器をなくす日本キャンペーンは9月22日、23日の両日、核兵器のない世界の実現を呼びかけるオンラインイベントを開催。39の平和や核廃絶を訴える団体が賛同し、参加者とともに平和のためにできることを考えた。
ニューヨークからの若者による現地レポート
同フォーラムは、初日に国連で開催の「未来サミット」を軸に、多国間の協力による課題解決やSDGs達成における核兵器廃絶の必要性などをテーマとした講演や現地レポートを実施。2日目は「SDGs」「核兵器禁止条約」などのテーマに分かれた分科会が行われ、両日あわせて193人が参加した。
初日は、国連「未来サミット」開催地のニューヨークから(一社)SDGs市民社会ネットワーク代表理事の大橋正明さんが未来サミットと核廃絶の関係性について解説。未来サミットは、2030年のSDGs達成率はわずか16%にとどまる見通しのなか、地球規模の共通課題解決に向けた「未来のための協定」の採択をめぐり開かれた。(協定は9月23日に採択)
協定は「国際平和と安全」「若者と将来世代」など5つの章で構成され、草案作成にはNGOなども参画し各国政府へ意見した。そのなかで核兵器廃絶や気候変動対策などを重要事項として盛り込むよう、多くのNGOが求めている。それらを解説した大橋さんは「協定採択後も実行しなければ意味がありません」と市民が声を上げる必要性を訴えた。
続いてニューヨークから、若者による現地レポートをリレー形式で実施。それぞれの発言から、各国から若い世代の人々が集まり、次世代を担う若者が意思決定に関われることを求めるイベントや政策提言がなされているようすが伝えられた。
高橋悠太さん(一般社団法人かたわら代表理事)は「近年は、AIやパンデミックなど新しい危機が発生している。従来の制度では対応できないからこそ、若者が参加すべき価値がある。パルシステム利用者のみなさんも引き続き応援してください」と呼びかけた。
核兵器廃絶の動きを解説する浅野さん
浅野英男さん(一般社団法人核兵器をなくす日本キャンペーン事務局)は、核兵器廃絶に向けた世界の動向が解説。協定採択によって次のステップへ進む核廃絶関連会議の課題を話した。
国連のグテレス事務総長は、核戦争のリスクはこの数十年間で最高レベルになっていると発言。核軍縮をめぐっては、5年ごとの再検討が定められている核不拡散条約で、核兵器保有国と非保有国の意見対立が顕著となり、合意が難しくなっている。
一方、核兵器廃絶を法的に義務付ける核兵器禁止条約は、世界の約半数に当たる90か国以上が署名もしくは批准し、2025年3月には第3回締約国会議が開催。浅野さんは、日本政府が最低でもオブザーバ参加するには市民から声を上げる必要があるとして、イベント開催やSNSでの情報発信を呼びかけた。
同日の終わりには、千田パンフルート合唱隊による「いのちの歌」と「アオギリの歌」の演奏。演奏に使用されたパンフルートは、広島の千田小学校で被爆したカイヅカイブキで作られたもので、被爆69年後に枯れ落ち、107台のパンフルートとしてよみがえった。
参加者とともに平和を考える
2日目は、平和と核兵器をめぐる4つのテーマを設け、分科会を開催。「基礎編」の2つの分科会には子どもたちにも参加を呼びかけた。核兵器が世界中からなくならないことへの疑問や、普段の暮らしを支えている「平和」を改めて考えた。
「環境編」「行動編」の分科会では、核兵器の存在理由や必要性、影響など多様な視点から課題を捉え、各分科会には、核廃絶に向け活動する諸団体のメンバーが登壇。平和の実現に向け、一人ひとりができることを参加者とともに考えた。
重要な記事
最新の記事
-
(433)「エルダースピーク」実体験【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年5月2日
-
約1cm程度の害虫を強力捕獲「吊るしてGET虫ミニ強力タイプ」新発売 平城商事2025年5月2日
-
農中情報システム 自社の導入・活用のノウハウを活かし「Box」通じたDX支援開始2025年5月2日
-
洗車を楽しく「CRUZARD」洗車仕様ホースリールとノズルを発売 コメリ2025年5月2日
-
戦後80年の国際協同組合年 世代超え「戦争と平和」考える パルシステム神奈川2025年5月2日
-
生協の「地域見守り協定」締結数 全市区町村数の75%超の1308市区町村に到達2025年5月2日
-
ムコ多糖症ニホンザルの臨床徴候改善に成功 組換えカイコと糖鎖改変技術による新型酵素2025年5月2日
-
エフピコ×Aコープ「エコトレー」など積極使用で「ストアtoストア」協働を拡大2025年5月2日
-
JA愛知信連と高機能バイオ炭「宙炭」活用に関する協定締結 TOWING2025年5月2日
-
5月の野菜生育状況と価格見通し だいこん、はくさい、キャベツなど平年並み 農水省2025年5月2日
-
「ウェザーニュースPro」霜予測とひょう予測を追加 農業向け機能を強化2025年5月2日
-
新品種から商品開発まで 米の新規需要広げる挑戦 農研機構とグリコ栄養食品2025年5月1日
-
米の販売数量 前年比で86.3%で減少傾向 価格高騰の影響か 3月末2025年5月1日
-
春夏野菜の病害虫防除 気候変動見逃さず(1)耕種的防除を併用【サステナ防除のすすめ2025】2025年5月1日
-
春夏野菜の病害虫防除 気候変動見逃さず(2)農薬の残効顧慮も【サステナ防除のすすめ2025】2025年5月1日
-
備蓄米 小売業へ2592t販売 3月末の6倍 農水省2025年5月1日
-
イモ掘り、イモ拾いモ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第338回2025年5月1日
-
地元木材で「香りの授業」、広島県府中明郷学園で開催 セントマティック2025年5月1日
-
大分ハウスみかんの出荷が始まる 大分県柑橘販売強化対策協議会2025年5月1日
-
Webマガジン『街角のクリエイティブ』で尾道特集 尾道と、おのみち鮮魚店「尾道産 天然真鯛の炊き込みご飯」の魅力を発信 街クリ2025年5月1日