流通:食は医力
【シリーズ・食は医力】第54回 ニンジンジュースで病院知らず2013年9月10日
・オリーブ油でカロチン吸収アップ
・ニンジンのほのかな甘みを楽しむ
・カロチンには抗酸化作用が
わが家の朝にニンジンジュースが登場するようになってもう10年近くなるでしょうか。休日はジュースとショウガ紅茶だけ。平日はジュースを飲んでから、普通の朝食をとります。
◆オリーブ油でカロチン吸収アップ
厳密にはニンジンとリンゴのジュースです。両者をジューサーにかけるときと、ニンジンだけジューサーにかけて長野の姻戚からいただくリンゴジュースを足すときもあります。量としてはニンジン8、リンゴ2くらいでしょうか。
これにオリーブ油を小さじ一杯分くらい加えます。ちょっと高価ですがバージンオイルを使っています。
オリーブ油を加えるのは、オリーブの栄養価もありますが、ニンジンのカロチン(正確にはベータカロチン)が脂溶性なので、油が加わることで吸収されやすくなるからです。
ですから、ニンジン料理は油で炒めるのがカロチン吸収には効果的で、煮物でさえも少量の油を加える人もいるくらいです。
◆ニンジンのほのかな甘みを楽しむ
さてジューサーにかけるとニンジンの繊維質がたくさん残ります。ニンジンにはこんなに繊維質があるのだと改めてびっくりするほどのカスの量です。
せっかくの食物繊維をもったいないような気がしますが、これはジュースの宿命であり、繊維質がない分、果物も野菜もいただきやすくなっているということで目をつぶることにしましょう(おからのように再利用したら面白いのかもしれませんが)。
甘みは加えません。というより必要ないのです。リンゴの甘みもありますが、ニンジン自体のほのかな甘みも感じられるような気がしています。
最初の頃はキャベツ、レモンなども加えていましたが、少し簡便法になっています。もちろんどんな果物や野菜を加えてもかまわないわけで、栄養分や味わいなど好みで決めればいいことです。
ただ見た目も重要なので、せっかくのニンジンの鮮やかな色合いを消さない程度がいいかと個人的には思っています。
もう一点、付け加えれば、ニンジン、リンゴは中庸からやや陽性の性格をもっているので、体を冷やす心配はありません。ただし陰性で冷え性の人はコップ一杯くらいにとどめ、食事で体を温めるように気をつけるといいと思います。
気のせいか、飲み始めて体調はいいように感じています。この10年、病院へ行くこともなくすんでいますが、それにはニンジンジュースが一役買っているのかもしれません。
◆カロチンには抗酸化作用が
ということでこの際、ニンジンの効用をおさらいしてみたいと思います。
主役の一つカロチンは体内へ入ってビタミンAに変わります。このことは昔、理科で勉強したような気がしますが、どうでしょうか。
カロチンは目、歯、皮膚、毛髪、さらには細胞増殖にかかわる大事な働きをします。小学校でAは夜盲症に効くと覚えたのは正しいけれども、ちょっと一面的だったかもしれません。
カロチンが近年、注目されるのは抗がん作用です。ビタミンCやEもそうですが、カロチンは抗酸化作用があるので、細胞や遺伝子を傷つける活性酸素(フリーラジカルとも、第52回参照)の働きを抑制し、抗がん効果が生まれます。
活性酸素の働きを抑える酵素が多いのはニンジンジュースですが、煮物、炒め物にも積極的に利用したいものです。
また皮膚や毛髪を若く美しく保ちたければカロチンは何よりの助けとなります。
それにニンジンには整腸(便秘や下痢)のほか、 貧血、カゼ、神経痛、リウマチ、腎臓疾患などにも効用があると言われています。
なお朝鮮ニンジンもさまざまな薬効がありますが、普通のニンジン(セリ科)とはまったく別の種でウコギ科です。そもそも値段がまるで違うので、今日は触れずにおきましょう。
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